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 「くっつけたり離したり、時田(隆仁)社長の組織や人事の施策はよく言えば変幻自在、悪く言えば一貫性に乏しい。幹部も社員もつま先立ちで走らされているようなもの」。富士通で役員を務めたあるOBはこう評する。

 指摘の通り、時田体制になって以降、富士通はめまぐるしく組織を変えてきた。3000人を超える幹部や再雇用・高齢者などが2022年3月末に退社、4月1日にまた組織を改変した。注目点は主力のテクノロジーソリューション事業で営業・ソリューション開発・デリバリー(サービス提供)を2年前から担ってきた「グローバルソリューション部門」を、顧客に接するフロント組織と、ソリューション開発やソフトウエア提供、サービスでフロントを支援するデリバリー組織に分けたことだ。

表 時田社長が指揮した時期の富士通の売上高成長率と米IBMとの比較
富士通、回復トレンドに乗れるか
表 時田社長が指揮した時期の富士通の売上高成長率と米IBMとの比較
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 フロント組織は「グローバルカスタマーサクセスビジネスグループ」。グローバルソリューション部門にあった業種別の営業と顧客担当SEを統合した組織を移管した。トップにはNTTデータ、デロイトトーマツコンサルティング、インドのインフォシスなどでパートナーや日本代表を歴任し、2019年8月に富士通に再入社した大西俊介SEVP(執行役員の最上位)が就いた。

 デリバリー組織は「グローバルソリューションビジネスグループ」。グローバルソリューション部門長だった島津めぐみSEVPが管掌する。分割の理由を巡っては売上高の4割を握っていた同部門が大組織になり過ぎた、大西氏と島津氏を競わせて次期社長の有力候補を見定める、といった指摘がある。