北川賢一の乱反射
目次
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日本企業が好きな「リフト&シフト」のクラウド移行、本当にそれでいいのか?
「1テラバイト600円弱で動かせるGoogle CloudのBigQueryを使うと、テラバイト級のデータを秒単位で、ペタバイト級でも分単位でスキャンして、必要なデータを取り出せる。同じ仕組みを自前で構築するなら100億円もの費用がかかると言われている。大量データの収集や分析、機械学習、スーパーコ…
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富士通が新販社に中堅顧客を集約、背景にあった幻の「2009年構想」とは
富士通が大きく様変わりする。時田隆仁社長は2019年4月1日の就任以降、営業部門とSE部門の統合やコンサルティング会社の新設を進めて来たが、仕上げとして2020年7月1日に新たな国内販売会社「富士通JAPAN(仮称)」を発足させる。
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「108年の歴史で初」のクリシュナ次期CEO、米IBMをどこへ導くか
新CEO(最高経営責任者)と新社長が同時に誕生する、米IBMの108年にわたる歴史の中で初のトップ人事だ。2020年4月6日付でアービンド・クリシュナ上級副社長がCEOに、米レッドハットのジェームス・ホワイトハーストCEOが社長に、それぞれ就任する。
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日本企業の8割が「2025年の崖」から転落すると、有識者が口をそろえる理由
「もう手遅れかもしれないが、このままでは2025年から2030年にかけて日本企業の8割が崖から転落する」。不気味な見通しを語るのはITコンサルティング企業、アイ・ティ・アール(ITR)の甲元宏明プリンシパル・アナリストである。
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営業組織とSE部隊の「統合と解体」を繰り返す富士通、そこには法則があった
「生粋のSEが富士通の社長に就任すると、なぜか営業とSEを統合した組織をつくる。黒川(博昭)社長の時もそうだった。だが、その7年後に営業出身の間塚(道義)会長が業種SEをSE子会社に出向させ、営業・SE統合組織を解体した。SE出身の時田(隆仁)社長が今回、9年ぶりに営業・SE統合組織を復活させる。…
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世界IT大手16社の19年Q4決算、利益率が20%を超えた「絶好調」の企業は?
世界の企業向けIT大手16社における2019年10~12月の四半期業績が出そろった。16社の4事業分野の売上高合計は1278億3200万ドル(約13兆9094億円)で前年同期を7.7%上回った。直近の4~6月期が6.7%増、7~9月期が7.4%増だった。2020年へ弾みを付けた格好だ。CEO(最高…
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日本はクラウド「抵抗国」、米国から7年遅れ中韓露にも劣る最下位ランクだ
「日本は2020年の世界最高の国ランキングで3位と健闘。ところが2022年のクラウド利用では米国から7年以上遅れる最下位ランクで、クラウド抵抗国のレッテルを貼られた。このままではクラウド・ネーティブ・アプリケーションへの移行が危うくなる」
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AWSはITインフラ市場で世界第何位?、「売り切り型」ベンダーと比べてみた
クラウド最大手、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は独占禁止法に抵触しているか。かつての米IBMや米マイクロソフトのようにAWSが問題になる日が来るのだろうか。
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天城(AMAGI)に雪を降らせる、ニュータニックスCEOが語った新戦略に注目
「天城越えは無理なのではないか」。エンタープライズ・クラウド・カンパニーを称する米ニュータニックスの創業者、ディラージ・パンディ会長兼CEO(最高経営責任者)に水を向けた。すると同CEOは笑みを浮かべて「我々は天城の山に雪を降らせる」と応じた。
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2020年に「民族大移動」始まる、若手技術者はITベンダーからどこへ行く?
「2020年に民族大移動が顕在化する。顧客が本当の意味でIT業界のライバルになる」
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三菱総研DCSがマルチクラウドストレージ、狙うはGAFA対策の「あの用途」
「パブリッククラウドの普及促進のために従量課金によるマルチクラウドストレージサービス(MCSサービス)を始める」。こう語るのは三菱総研DCSの合田敬常務執行役員である。同社は2020年4月から一般企業に向けてマルチテナント型MCSサービス「Dibertas(ディバタス)」を開始する。
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世界IT大手16社の2019年Q3決算を分析、サーバー2強が不振でクラウドと明暗
世界の企業向けIT大手16社における2019年度第3四半期(7~9月期)の業績が出そろった。16社の4事業分野の売上高合計は1197億9300万ドル(約13兆742億円)と前年同期を7.2%上回った。第2四半期(4~6月期)の増収率は過去8四半期の中で最低の5.7%だったから1.5ポイント改善した…
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IBMによるレッドハット買収効果が判明、次の課題は「ブルーハット」現象
330億ドル(約3兆5970億円)を投じた、創業108年の米IBM史上最大規模の企業買収が2019年7月初旬に完了した。オープンソースソフトウエアのリーダー格、米レッドハットがIBMの一事業部門になった。この大型買収はIBMが業績回復に向けて打った大きな一手と見られており、第3四半期(7~9月)決…
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コンサルティングに第2次ブーム、参入狙うIT企業には致命的な弱点
デジタルトランスフォーメーション(DX)支援への期待から、コンサルティングに第2次と言うべき参入ブームが起きている。IDC Japanは2021年にDXを含むデジタル関連コンサルティング市場規模が3500億円に増えると予想する。
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富士通の時田社長が挑む、SE出身トップの「鬼門」とは
「公表後2日間で株価が3.2%下がった。コンサルティング会社の設立で富士通は成長路線に乗るというシナリオを市場は信じていない」。富士通を今年辞めた元幹部は、時田隆仁社長が9月26日に発表した経営方針をこう評した。
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IBMがメインフレームの新機種を2年おきに出し続ける本当の理由
浮き沈みの激しい「季節商品に頼る経営は不安定では」。9月13日、メインフレームの新機種z15の発表会に出席した日本IBMの山口明夫社長に水を向けた。するとミスターメインフレームと呼ばれる日本IBMの朝海孝システム事業本部長が引き取り、米IBMの歴史そのものであるメインフレームをやゆした筆者を諭すよ…
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日本でMicrosoft Azureが苦戦する理由は、あの「商習慣」にあった
「欧米に比べ(日本市場は)クラウドに向かっていない」。サーバーOSでシェアの高いWindowsの移行を巡って日本マイクロソフト業務執行役員の浅野智クラウドビジネス本部長は業界関係者にこう本音を漏らしたという。
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世界IT大手16社の2019年2Q決算、クラウド成長率がついに30%割れ
世界の企業向けIT大手16社の2019年度第2四半期(4~6月期)業績がまとまった。データセンター、ソフトウエア、サービス、パブリッククラウドの4事業を合計した売上高は1208億8200万ドル(12兆7772億円)。前年同期を5.7%上回った。営業利益は7.0%増の合計241億8000万ドル(2兆…
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HPE、デル、レノボの「3強」が打ち出したパブリッククラウド対抗策とは
「サーバーやストレージについて使った分だけ支払っていただければ結構です」――。サーバーやストレージの売上高で世界上位を争う米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、米デルテクノロジーズ、中国レノボグループの3社がいわゆる従量課金方式を推し進めている。
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米EDS創業者ペロー氏追悼秘話、CSK大川氏・孫正義氏との知られざる交友
1カ月ほど前の7月9日、米国大統領候補だったロス・ペロー氏が89歳で永眠した。ペロー氏は1990年代、米大統領選に2度挑んだことで知られるが、IT業界においてはアウトソーシングなどITサービスビジネスの生みの親と呼んだほうがいいだろう。