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 セブン&アイ・ホールディングスのQRコード決済サービス「7pay」で発生した不正利用は、日本でのキャッシュレス決済の普及にマイナスの影響を与えるのではないか。そんな観測が広まっている。確かに事件が様々なメディアで大きく報道されたために、「QRコード決済は危険」と思い利用をためらう人がいるかもしれない。

 ただし私はむしろ逆。がぜん関心が湧き使ってみようという気になった。これまではQRコード決済サービスに対して記者としての関心はあっても、消費者として使ってみたいとは思わなかった。使う気になったのは、7pay事件に関連して連日のようにQRコード決済の情報に触れたせいだ。

 選んだのはソフトバンクグループ傘下のPayPayのサービスだ。LINE Payや楽天ペイ、NTTドコモのd払いなど様々なQRコード決済サービスがあるのは知っていたものの、私の場合、PayPay以外のサービスを選ぶ余地はなかった。

 PayPayの使い勝手がとりわけ良かったからではない。ポイントの還元率が理由でもない。私の生活圏ではPayPayが圧倒的に広がっていたからだ。私が住む東京近郊のベッドタウンの街はいつの間にか、スーパーマーケットから個人商店に至るまで多くの店舗でPayPayが使えるようになっていた。もしPayPayではなく他のサービスが同様の状態だったら、間違いなく他のサービスを選んだはずだ。

淘汰が一気に進むか

 QRコード決済に限らずデジタルサービスを提供する企業は「顧客視点」や「カスタマーエクスペリエンス(CX)」の重要性を強調する。QRコード決済サービスは、いつでもどこでも使えるCXがとても大切だ。単純に日本中のどれだけ多くの店舗で使えるかではなく、利用者一人ひとりの生活圏においてどこでも使える必要がある。