全1515文字
PR

 富士通がデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するコンサルティング会社を2020年3月までに設立する。時田隆仁社長が2019年8月8日に開いた記者説明会で明らかにした。コンサルタントなどをまずは500人程度集め、2022年度に2000人規模の体制にするという。

 時宜を得た措置と言いたいところが、むしろ遅すぎるぐらいかもしれない。DXに取り組むユーザー企業がITベンダーに求めるものは何か――。その考察を突き詰めていくと、システムインテグレーション(SI)事業に軸足を置く日本の大手ITベンダーの危うい現実が見えてくるからだ。

 ユーザー企業がDXを推進する際に、パートナーとなるITベンダーに求める要素は主に次の3つだ。DXを巡って経営者や事業部門の相談相手となり得るコンサルティング能力、デジタルサービスの開発を支援できるアーキテクトやプログラマーの存在、そしてサービスを実装するインフラやプラットフォームの提供である。

 DXに取り組むには最新技術などの動向を踏まえながら事業変革に向けた戦略を立案し、その戦略の下でデジタルサービスを素早く開発しなければならない。となればITベンダーにコンサルティング能力などを求めるのは当然だ。だがSI事業を主体とするITベンダーは、それらを持ち合わせていないか、持っていても十分ではない。

 SI事業はユーザー企業から要求や要件を聞き取り、ユーザー企業独自のシステムを作る。大規模案件を担う大手ITベンダーは設計やプロジェクトマネジメントに特化し、実際のプログラミング作業は下請け企業に任せるケースがほとんど。DXに取り組むユーザー企業のニーズに応えられる体制になってはいないのだ。