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 ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会で、日本代表チームが初めて予選を突破しベスト8まで勝ち進んだ。アイルランドやスコットランドといった強豪を破り4戦全勝で予選を勝ち上がる活躍に、多くの人が心を躍らせたことだろう。

 日本代表チームの特徴はダイバーシティー(多様性)だ。日本国籍を取得した外国出身者や外国人も多数選手として参加している。当初はそうした混成チームに違和感を抱いた人もいたかと思う。しかし、出身国が異なる選手たちが日本代表として一丸となって戦う姿を実際に目にして、感動を覚えたはずだ。

 混成チームを作れたのは、ラグビーW杯が選手に国籍要件を求めないからだ。ただし外国人選手は日本代表になれば、母国の代表になる資格を失う。有力選手がそれでも日本代表としてプレーしたいと思う魅力が日本や日本代表チームにあったからこそ、史上最強の混成チームを作れたのだ。

 ビジネスにおいてもダイバーシティーの重要性は以前から指摘されてきた。特にITを活用して世の中を変えるようなデジタルサービスを生み出そうとするならば、ダイバーシティーを尊重する組織文化や風土が不可欠だ。国籍や人種を問わず才能のある若者が全世界から集まる米国のシリコンバレーの隆盛はそれを端的に示す。

 日本企業はこれまで、シリコンバレーの企業とは真反対の組織文化だった。新卒の一括採用、終身雇用という人事制度が長く続き、従業員の価値観は均一。会社や上司に不平を言わず、従順に手抜きなく懸命に働く姿勢が尊ばれてきた。自社の現状を憂い嘆く人もいるだろう。「うちは体育会系の文化だから」と。

悪しき「体育会系文化」から脱却を

 だがまさに「体育会系」と言えるラグビーの日本代表チームが、悪い意味で語られる体育会系文化のイメージを変えてみせた。出身国や文化的背景などが異なる選手たちが対等の関係でコミュニケーションを取り、それぞれがチームのためにやるべきことをやった結果が予選突破につながった。