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 新型コロナウイルスの感染拡大によって日本企業の情報システムの問題点が浮き彫りになった。IT部門の「ひとり情シス化」である。中小企業だけでなく大企業においても進行している。

 ひとり情シスとは企業のIT担当者が1人しかいない状態を指す。当初から1人しかいない零細企業だけでなく、リストラや人材採用難によりIT部門が消滅してしまい、残された1人がシステムを担当する企業も多い。従業員200~300人の規模の企業であれば、過去に独自開発したシステムが複数存在するケースもある。

 大企業の場合、さすがにIT担当者が1人しかいないという話は聞かない。常駐するITベンダーの技術者も含めれば、2けた以上の人員を抱えるIT部門がほとんどだろう。しかし、あくまでも総員レベルでの話だ。各システムごとに見ると話は違ってくる。

 例えば数年前に基幹系システムを刷新した製造業大手は刷新前、各IT部員がそれぞれ5~6システムの保守運用を担っていた。これではIT部門に多数の人員がいても、中小企業のひとり情シスと状況はあまり変わらない。当時は1人でも休むと複数のシステムの担当がいなくなってしまうため、IT担当者が長期の休暇を取るのは困難だったという。

 ここまで極端ではないにしても、ひとり情シス状態に陥っている大企業のIT部門は少なくない。長年、利用部門の要請に応えてきたために部門単位でシステムが乱立し、しかも改修を重ねた結果、プログラムコードが複雑になって担当者以外は手を付けられないケースも多い。

 そんな状況の中で、IT部員が1人でも新型コロナウイルスに感染したらどうなるのか。重症になれば長期にわたって業務から離脱を余儀なくされる。その人が担当するシステムの面倒を見られる人は誰もいない。システムトラブルが発生すればお手上げである。

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