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非常時にしかできないことがある

 こうしたアフター・コロナの未来が容易に予測できるだけに、デジタルトランスフォーメーション(DX)に出遅れ気味の日本企業の将来は大丈夫かと心配になる。ウィズ・コロナでの事業継続も大変だが、アフター・コロナの時代に激変するであろう事業環境、つまり新型コロナ禍を機に加速するデジタル変革に対応することも、従来の日本企業には容易でないはずだ。

 ただし見方を変えれば、日本企業が自らを変革する好機にもなり得る。ウィズ・コロナの時期がしばらく続くことで、企業は抵抗勢力にとらわれず、事業のデジタル化を一気に進めざるを得なくなるからだ。テレワークにしても、新型コロナ禍という強制力があったからこそ、短期間で一気に普及した。ウィズ・コロナの状況がこれから半年、1年と続いていくならば、様々なビジネスのやり方をデジタル対応に変えていかなければならないだろう。

 例えば店舗などリアルでの顧客接点が制約を受けているならば、企業はマーケティングや販売の場をデジタルに求めていかざるを得ない。それがまさにDXだ。しかも切羽詰まっているだけに本気度がこれまでと違う。そう考えると、ウィズ・コロナの期間が長く続くのは必ずしも悪いことばかりではない。必ずやって来るアフター・コロナに備えて、今を非常時にしかできない変革の時と位置付けて、ビジネス・ウィズ・コロナに挑みたい。

木村 岳史(きむら・たけし)
木村 岳史(きむら・たけし) 編集委員。1989年日経BP入社。日経ネットビジネス副編集長を経て2010年に日経コンピュータ編集長。13年1月より現職。日経コンピュータと日経クロステックにIT業界やIT部門の問題点を斬る辛口論評を執筆中。