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 近い将来に新型コロナウイルスの感染が終息して「アフター・コロナ」の平穏がやって来るのか。それとも新型コロナの感染に警戒し続けなければならない「ウィズ・コロナ」の時期がしばらく続くのか――。

 今やこれが日本中、そして世界中の人々や企業にとって最大の関心事であろう。だが残念ながら、現状では誰も確かなことが言えない。当初あった早期終息への期待は消え「終息は早くても2020年の秋口」「年末までかかるかもしれない」との声が多くなっている。2021年に延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催すら危ぶむ悲観論も聞こえてくるようになった。

 こうなると、企業はウィズ・コロナの期間が当面は続くことを前提にビジネスを再構築するしかない。「当分の間」がいつまでか分からないのは悩ましいが、自社のビジネスの方針として明確な計画を打ち出すべきだろう。例えば「2020年度中はビジネス・ウィズ・コロナ」といった具合だ。

 ビジネス・ウィズ・コロナの事業計画は、新型コロナ禍という未曽有の「大災害」の下でいかに事業を継続するかというBCP(事業継続計画)の観点だけでは不十分だ。来るべきアフター・コロナに備え、平時にできなかったビジネス変革を進めるとの観点も必要だ。

 今回の新型コロナ禍により、グローバルで進行中のデジタル変革が加速するのは間違いない。移動と対面でのコミュニケーションが制限された結果、人々が生活するにも働くにも、これまで以上にデジタル機器やデジタルサービスを活用するようになった。新型コロナ禍が過ぎ去っても、その傾向は大きくは変わらないはずだ。

 米グーグルや米アマゾン・ドット・コムなどのGAFAをはじめ、プラットフォーマーはますます影響力を強めるだろう。米国や中国、東南アジアなどでは、多くの起業家がウィズ・コロナでの経験を基に、新たなデジタルビジネスのアイデアを形にしようとしているはずだ。既存の企業も今回の逆境をバネに、これまで以上にデジタル投資を加速させるに違いない。

 アフター・コロナでは5G(第5世代移動通信システム)の普及と相まって、多くの国でビジネスのデジタル化が一気に加速するだろう。