全1439文字
PR

 システム障害が相次いだみずほ銀行と、持ち株会社のみずほフィナンシャルグループに対して、金融庁が2021年9月22日に業務改善命令を出した。筆者はこの命令に違和感を覚えざるを得ない。システムの更改や保守などに関して「この時期に余計なことはやるな」と読めるからである。

 今回の業務改善命令は、みずほ銀行が年内に計画しているシステム更改や更新、保守について、必要性や緊急性、銀行業務に与えるリスクを踏まえて再検証や見直しを求めている。計画の再検証や見直しの結果は10月29日までに提出させるという。

 命令の内容を読む限り、当初報道されたような「金融庁によるシステムの直接管理」といった類いのものではない。ただし、要求しているのは「年内はシステムの更改や更新などを一旦中止せよ。どうしても必要なら万全の管理態勢を作り、その計画を速やかに報告せよ」ということだ。いくら銀行法に基づく措置とはいえ、「過剰介入」の感を免れない内容だ。

 みずほ銀行の一連のシステム障害は既に7回。金融庁が「監督官庁として無策」との批判を恐れ、8度目のシステム障害につながるリスクを極力排除しようとする気持ちは分からなくもない。特に、現在は千葉の副データセンターで稼働させているシステムを、東京・多摩の正データセンターに切り戻す作業は、一連のシステム障害の根本原因が判明していない以上、大きなリスクを伴う。

 ちょうど今は、自民党総裁選挙から衆議院議員選挙へと続く「政治の季節」だ。新たなシステム障害により行政の無策が指弾され、政治問題化するのは避けたいところだろう。少なくとも政治の季節が過ぎ去るまで、システムの切り戻しをはじめ大規模障害のリスクを伴うシステムの更改や更新、保守は必要最小限にとどめさせたい。そのように考えれば、このタイミングでの業務改善命令は極めて理解しやすいものとなる。