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多忙を極めるリーダーにとって、メンバーにうまく仕事を任せることは不可欠なスキルだ。任せ方に失敗すると、仕事は途端に進まなくなる。本特集では日経SYSTEMSの過去記事を再編集。現場のリーダーが実践する任せ方のテクニックを習得しよう。

 「君の設計スキルは高く評価している。この後はチームをうまく取りまとめて、高い品質を確保してもらいたい」。あるプロジェクトでマネジャーを務めたMさんは別の案件にも参加することになり、途中から若手のAさんにこう言って開発チームのマネジメント業務を任せた。

 当初こそMさんは「任せてしまって大丈夫だろうか」と不安だったが、Aさんは課題管理やレビューのやり方を変えるなどして、マネジメント業務をしっかりとこなしているようだった。そんな様子を見てMさんは、「これまでより品質が上がるかもしれない」と安心していた。

 ところがしばらくして、状況は一変する。Aさんが突然、「チームの作業が大幅に遅延している」と報告してきたのだ。にわかに信じられないMさんがAさんに事情を聞くと、品質管理に徹していて進捗管理がおろそかになっていたようだった。

 MさんはAさんに開発チームのマネジメント業務を任せるとき、「言わなくても進捗はしっかりチェックしてくれるだろう」と思っていた。しかしMさんが品質向上についての期待を強調したこともあり、Aさんは「品質を高めることが自分にとって最も重要なミッションだ」と捉えてしまった。これが原因で、進捗のチェックがなおざりになったのだ。

 Mさんは仕事の任せ方がまずかったと反省しつつ、Aさんから開発チームのマネジメント業務を引き取って自らこなし、その後どうにか進捗の遅れを取り戻した。


 Mさんのような経験を持つ現場のリーダーは、多いのではないだろうか。リーダーは多忙を極めると、自分が担当してきた仕事の一部をメンバーに任せる必要が生じる。そんなとき、リーダーにとって理想なのは、任せたメンバーが、自分と同じように仕事を進めてくれることだろう。

 しかし実際には、「フォローに追われ余計に忙しくなる」「仕事の方向性がズレてしまう」「問題を抱え込まれてしまう」といった事態を招くことが多い。リーダーにしてみれば、任せないで自分でやればよかったということになりかねない。

 そうならないためには、メンバーが期待通りに仕事をしてくれるよう、リーダー自らが任せ方を工夫する必要がある。

リーダーがメンバーに仕事を任せるときの悩みと解決する技術
リーダーがメンバーに仕事を任せるときの悩みと解決する技術
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