ファーストリテイリングやRIZAPのCIO(最高情報責任者)を歴任した岡田章二氏(53歳)が2019年7月1日、「ISENSE」を起業した。日本を代表するプロフェッショナルCIOとして知られる同氏に、新会社の使命や理念を聞いた。(聞き手は戸川 尚樹=日経BP総研イノベーションICTラボ所長)
複数企業からCIO(最高情報責任者)として声が掛かっていたようですが、「ISENSE」を起業するという決断を下しました。
ファーストリテイリングで24年、RIZAPで2年半。長年、IT部門を率いて経営変革をリードするという仕事に恵まれました。企業内の業務プロセスを最適化し、それを反映したITシステムを構築する。そして経営者や現場が様々なデータを有効活用できるようにする。
企業は優れた仕組みを整えることで、競争力を高めることができる。つまり、優れたITシステムは、会社の成長に大きく貢献するということです。こうしたことを、ファストリ創業時代にサプライチェーン・マネジメント・システムなどの基幹系システムを構築するプロジェクトをけん引し、学ばせてもらいました。RIZAPグループ時代は取締役CIOとして、デジタル化の道筋をつけることもできました。
これまでの仕事を通じて、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するノウハウやスキル、そしてセンスを磨いてきたという自負があります。この強みを生かして、多くの会社が抱えている悩みを解決する仕事にチャレンジしてみたいと思いました。
DXは経営変革そのものです。多くの会社が、ITシステムやデータを駆使して、競争力の高い企業に変身させようとしていますが、必ずしも成果を出せていません。
こうした現状を変えるお手伝いができるはずだ。自らの手でやってみたい。こう思って、プロジェクトマネージャやAIエンジニア、ITアーキテクト、ビジネスコンサルタントなど、私が優秀だとほれ込んだ5人を集めて、起業することを決めました。