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2019年7月15日についに完了したみずほ銀行のシステム統合。20年にも及ぶその苦闘を「日経コンピュータ」の記事で振り返る。2002年7月1日号は、2002年4月1日から発生した大規模障害について、みずほフィナンシャルグループがまとめた調査報告書や再発防止策の詳細を報じた。テスト不足のままシステムの稼働を強行したことが障害を招いたことを反省し、リスク管理体制の強化を図った。その結果、システム統合は大きく遅れることになった。

「システム障害の復旧に取り組んだ、現場のシステム担当者たちの処分など一切しない」。みずほホールティングスの前田晃伸社長は6月19日の記者会見でこう述べた。2003年4月に予定している、みずほ銀行の勘定系一本化を成功させるためには、現場のさらなる頑張りが欠かせないからだ。

 みずほフィナンシャルグループの持株会社、みずほホールディングスの前田晃伸社長(写真)は6月19日、記者会見し、4月にみずほ銀行が起こしたシステム障害の原因と再発防止策を説明した。説明後の質疑応答で前田社長は、システム障害の復旧作業を担当したシステム担当者について、「4月のトラブル発生以来、現場のシステム担当者たちは全力を挙げて頑張ってくれた。感謝している」と語った。

写真●みずほホールディングスの前田晃伸社長
写真●みずほホールディングスの前田晃伸社長

 記者会見に同席した、みずほ銀行の工藤正頭取と、みずほコーポレート銀行の齋藤宏頭取は、「事務センターや店舗には何度も足を運び、担当者を激励した」(工藤頭取)、「現場を訪問して、システム担当者にねぎらいの言葉をかけた」(齋藤頭取)と述べた。みずほの三首脳が公式の場で、現場のシステム担当者をねぎらったのは、今回が初めてである。

 さらに前田社長は、「現場のシステム担当者を処分することはない」と断言。一部で報道された、「みずほが全行員を対象に賃下げをする」という件については、「誤報。そんな話は労働組合とも一切していない」と完全否定した。

 ただし、システム関連部署の管理職以上については、「社内規定に従い、処分する」(前田社長)とした。これに先だって、みずほ銀行のCIO(情報統括役員)を6月17日、降格の上、辞任させた。さらにみずほフィナンシャルグループの全役員117人を減給などの処分にした。

 みずほ首脳が現場を気遣う発言をした背景には、現場の担当者の士気を下げないようにする意図がある。みずほは今後、みずほ銀行の勘定系の一本化や、みずほコーポレート銀行の勘定系強化など、やるべきことがたくさんある。

 前田社長は、「今後のシステム開発はちゃんとできるのか」という質問に対して、「きちんとやらなければならない。十字架を背負った気持ちで臨む。次に失敗したら、社長を辞める」と言い切った。