全2283文字
PR

 みずほフィナンシャルグループ(FG)の20年にわたるシステム統合・刷新の歴史において2度目の試練となったのが、2011年3月11日の東日本大震災の直後に発生した大規模なシステム障害だった。勘定系システムの老朽化リスクが、震災義援金の振り込みをきっかけに露呈した。「日経コンピュータ」の記事から振り返ろう。

震災から3日後に始まったシステム障害

 みずほ銀行にとって2度目となる大規模なシステム障害は、東日本大震災の発生から3日後である2011年3月14日に始まった。この日、あるテレビ局が震災の義援金を番組などで呼びかけたところ、テレビ局がみずほ銀行に設けていた義援金口座に振り込みが殺到。その口座で記録できる取引件数の上限値をオーバーし、まずはその口座の取引内容を照会できなくなった。

 本格的なシステム障害はその日、14日の夜に発生する。義援金口座への振り込み依頼を夜間バッチによって処理しようとしたところ、今度はバッチ処理で1つの口座につき処理できる件数の上限値をオーバーし、夜間バッチ全体が異常終了したのだ。

 みずほ銀行は夜間バッチの再実行に失敗したため、翌15日朝までに約38万件の振り込みが未処理になった。夜間バッチとオンラインシステムは同じメインフレームで稼働していたため、夜間バッチの未完了によってオンラインシステムの稼働に遅れが生じ、15日朝からATMを使った振り込みができなくなるなど目に見える障害が発生し始めた。

システム障害の発生を知らせるみずほ銀行支店の掲示
システム障害の発生を知らせるみずほ銀行支店の掲示
[画像のクリックで拡大表示]

 みずほ銀行はシステム障害が3日目に入った同年3月17日にようやく、頭取による記者会見を開催し、システム障害の詳細について説明した。17日朝からは全国の約440店での窓口業務と約1600カ所のATMのすべてが停止するという大規模障害に発展したためだった。

 日経コンピュータ2011年3月31日号の記事「みずほ銀行、障害の発端は人為ミス ITガバナンスにも課題を残す」は未処理になった振り込みの件数が、一時は116万件にも膨れ上がったと報じている。システム障害によって夜間バッチが完了できない状態が何日も続いた結果、振り込み処理の遅れが雪だるま式に拡大したからだ。3月18日に予定されていた62万件の給与振込も未完了になった。

 みずほ銀行は同年3月19~21日までの3連休にATMやネットバンキングを全面停止して復旧に当たった結果、振り込みなどの遅れはトラブル発生から10日後の3月24日に解消した。「給与が振り込まれない」「お金が引き出せない」など利用者は大きな影響を被った。