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【質問3】この1年を踏まえ、これからのDXに必要なものは何か
【回答】越境と破壊と創造が必要。法制度や評価制度、ITインフラなどの見直しも急務

 質問2への回答でも述べたように、トランスフォーメーションとは変革である。今までのやり方の延長線上にドラスチックな変革など期待できない。GAFAMをはじめとする、ベンチャーから巨大企業へと成長したメガベンチャーは、従来のビジネスのゲームのルールを覆すことでイノベーションを遂げてきた。

 では、トランスフォーメーションには何が必要か。ずばり「越境」と「破壊」と「創造」の3つを挙げたい。

 不確実なリスクが増大する時代であり、なおかつ少子高齢化による労働力不足が深刻化していることから、経営トップやベテランが答えを持っているとは限らない。社内に答えを持つ人がいないかもしれない。社内外を問わず答えを持っている者、自組織のビジョンやゴールを達成するために必要な能力や経験、マインドを有する者を素早く発見し、素早くつながり、素早くトライ&エラーし、その知見を素早く組織に還元して次の成功を目指す。そのような仕事のやり方に変えていく必要がある。

 そのためには、社内外を「越境」しやすい組織文化や仕組み(IT の利活用を含む)、評価制度に改めていかなくてはならない。情報をオープンにする。異質なものに触れる。他社や他業界の情報に触れる。多様な人材を起用する。このような取り組みや基盤づくりが求められる。ひたすら社内に籠もり、代わり映えのしない(かつ同質性の高い)メンバーだけで、同じ時間軸で行動している組織に新たな発想は期待できない。トランスフォーメーションなど起こりようがないのだ。

 トランスフォーメーションは、今までの当たり前を疑うところから始まる。あるいは新しい世界観を体験して、今までの当たり前に不便や不具合を感じるところから始まると言ってもよい。浮き彫りになった理不尽な当たり前をなくし、仕組みともども再構築する。破壊と創造を恐れていてはトランスフォーメーションを成し遂げることはできない。法制度しかり、社内規定やルールしかり、人事評価制度しかり、ITインフラしかりである。ドラスチックな再構築が求められる。

 繰り返しになるが、今の日本の組織のカルチャーやマインドは、過去50~60年の製造業型の勝ちパターンに最適化されすぎてしまった。それが、未来への成長を妨げる「バグ」になりつつあることは、読者諸氏も少なからず感じているところであろう。集団思考停止、行動停止に未来はない。

 社内の労務規定や評価制度の見直し、組織の再構築、トランスフォーメーションのためのスキル強化や人材育成、トランスフォーメーションできる人材の登用、ITシステムの見直しは一企業の努力できる。改革肌の弁護士や社労士と組んで、チャレンジする社員に優しく変化を拒む管理職に厳しい人事制度に刷新した企業もある。

 一方、法制度などは一企業の経営者や社員が変えることはできない。しかし、声を上げることはできる。時代遅れ、かつ日本の組織の発展を阻害する法律やルールに「おかしい!」「ノー!」をつきつけることは十分可能である。声を上げ、共感者を増やし、世論を形成する。やがて、変えられる立場の人の共感を得てムーブメントにつなげる。それは十分可能なのだ。諦めていては、集団思考停止していては、日本は変わらない。できることから始めよう。

 とはいえ、組織は急には変わらない。中堅や若手の個人レベルではどうしたらよいか。そうね、今の時代の潮流を大いに利用し、理不尽な昭和型組織文化やルールに「うっせぇわ」の声を正しく上げていこうではないか。

同調圧力、うっせぇわ
ムラ社会、うっせぇわ
抵抗勢力、うっせぇわ
既得権益、うっせぇわ
削減圧力、うっせぇわ

うっせぇうっせぇうっせぇわ
未来を見ろや限界です……