全4465文字
スタート以来、日経クロステックの名物コラムとなった「テクノ大喜利、ITの陣」。今回はその第37回だ。毎回、複数の識者に共通のお題(質問)を投げかけ、識者にはそれに答える形で論陣を張ってもらう。お題は日本企業のIT利活用の問題点やIT業界の構造問題、そして世間の耳目を集めたIT絡みの事件などだ。
第37回のお題は「緊急事態宣言から1年、日本のデジタル化はどこまで進んだ?」。答える識者の2番手に登場するのは、外資系ITベンダーでCTO(最高技術責任者)などを務めた元・東京理科大学大学院教授の田中芳夫氏だ。行政分野で「IT 後進国」ぶりを露呈した日本だが、田中氏は「ITの歴史の中で日本が先進国であったことはない」と喝破する。その上で「出る杭(くい)」などの人材を育てる必要性を説く。(編集部)
田中 芳夫(たなか よしお)
元・東京理科大学大学院教授
元・東京理科大学大学院教授

【質問1】日本や日本企業が大きく変わったと思うことってある?
【回答】働き方が変わったのは紛れもない事実。「ITは結構役立つ」と感じた経営者も増えた
【質問2】やはり日本は「IT後進国」だと実感したことは?
【回答】そもそもITの歴史の中で、日本が「先進国」であったと言える記憶はない
【質問3】この1年を踏まえ、これからのDXに必要なものは何か
【回答】もちろん人材に決まっている。「出る杭」らを育てていくしかない