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 スタート以来、日経クロステックの名物コラムとなった「テクノ大喜利、ITの陣」。今回はその第17回だ。毎回、複数の識者に共通のお題(質問)を投げかけ、識者にはそれに答える形で論陣を張ってもらう。お題は日本企業のIT利活用の問題点やIT業界の構造問題、そして世間の耳目を集めたIT絡みの事件などだ。

 第17回のお題は「とがった優秀なIT人材を潰す日本の企業文化を変えられるか」。お題に答える識者の2番手は、製造現場のシステム開発などを手掛けた後にCIO(最高情報責任者)を務めた寺嶋一郎氏だ。日本企業のムラ社会がとがった人材を潰すことを憂慮する寺嶋氏は、組織とその規範、使命、文化を組み換えられる能力を持つ変革型リーダーの必要性を強く訴える。(編集部)

寺嶋 一郎(てらじま いちろう)
TERRANET代表
寺嶋 一郎(てらじま いちろう) 1979年に積水化学工業入社。製造現場の制御システム、生産管理システム構築などに従事。1985年マサチューセッツ工科大学留学を経て、人工知能ビジネスを目指した社内ベンチャー、アイザック設立に参画。2000年に積水化学 情報システム部長に就任、IT部門の構造改革やIT基盤の標準化などに取り組む。2016年に定年退職し、IIBA日本支部代表理事、BSIA事務局長、PCNW幹事長などを通じて日本企業のIT部門を支援する活動に着手。
【質問1】なぜ日本企業は「出るくい」を打ち続けてきたのか
【回答】日本のムラ社会に根付く嫉妬が原因、だが「出過ぎたくい」になら打たれない
【質問2】高額報酬やデジタル子会社設立で優秀な人材を生かせるか
【回答】お金だけでは駄目、仕事の面白さとやりがい、そして仕事をする環境を整えよ
【質問3】とがった人材を生かせる組織に変えるには何が必要か
【回答】組織とその規範、使命、文化を組み換えられる能力を持つリーダーが必要だ