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【質問2】テレワークの導入により意思決定は速くなったか
【回答】変われない組織の根底に、経営者や管理職の「幼稚性」が見え隠れする

 質問1への回答に述べた通り、変われる組織はテレワークなどデジタルベースの新たな働き方を取り入れながら、トライ&エラーを繰り返す。そして成長していく。

 テレワークを使いこなせるようになると、ものすごく仕事が忙しくなる。テレワークを部分的にでも取り入れている人であれば、共感いただけるであろう。

 今まで移動や(対面の)会議準備などに充てていた時間に、次々にオンラインミーティングやオンライン商談が飛び込んでくる。1日の密度がものすごく濃くなり、気がつけば、もう18時。ともすればヘトヘトになる。

 仕事の取捨選択やオンラインミーティングの効率化など課題は残るものの、オンラインでつながれる者同士でどんどんと話が進み、意思決定も速くなる。

 変われる組織の人たちは、今までの仕事のやり方がもどかしく感じるようになる。スピーディーな意思決定を邪魔する「紙&ハンコ」ベースの事務作業、対面ベースの会議、イケていないITシステムなどについては、まもなく組織の中で正しく問題提起がなされ改善される。こうして時間や場所にとらわれない仕事のやり方がさらに整備され、意思決定のスピードがさらに速くなる。

 一方、変わらない残念な組織は、次のような理由でテレワーク、デジタルワークを取り入れたとして、何かと難癖がつき仕事のスピードを下げる。

  • 顔を合わせていないとコミュニケーションがうまくいかない
  • テレワークであっても、勤務なのだからスーツやネクタイを着用すべきだ
  • 製造現場は頑張って出社しているのだから、事務職も頑張って出社すべきだ
  • 会議や講義は全員が同じ場所にそろっていないと、一体感がなくてダメ
  • とにかく全員が同じ場所にそろっていないとダメ
  • 「ビジネスチャット=遊びのツール」だと思っている
  • 担当者や課長を介さず部長と直接コミュニケーションすると、課長がすねる(「聞いていない」といって決裁しようとしない)
  • オンラインミーティングでは、役職者より後にログインする/先にログアウトするのは失礼
  • ビジネスチャットでのメンションを職位順に並べないと怒る
  • 職位をつけて名前を呼ばないと怒る
  • 稟議(りんぎ)書などでは、上位者(のハンコ)に対してお辞儀するようにハンコを左に傾けて押さないといけない
  • 報告書類のExcelの枠線が1ミリでもズレていると、目ざとく見つけて説教する
  • Zoomで役職者の顔を大きく表示したい
  • 見えない相手は管理できない。だから全員出社すべきだ
  • 役職者がさみしいから、全員出社すべきだ

 もちろん、これらのルールに何らかの合理性がある職場は別だが、そうでないとしたら実にくだらない……を通り越して、情けない。

 率直に言おう。「変わらない組織」の根底には幼稚性が見え隠れする。いい年をしたオトナたちによる幼稚園児レベルの「こじらせ」や、かつての中学校や高等学校の部活動を思わせるような「同調圧力」「皆で仲良く苦しむ主義」がここへ来て露呈している。

 おっと、そう言っては幼稚園児や学生に失礼だ。最近の幼稚園児や学生のほうが「変われない」組織のオトナたちより、よっぽど柔軟性も多様性もある。

 「本当に大丈夫か、日本」と不安になる。このようにこじらせる経営者や役職者に物申したい。「ビジネスの世界なのに、いつまでも学生気分でいるんじゃないよ!」

 日本の組織の幼稚性は、国際社会の中で生きていく上で由々しき問題である。ひょっとしたら海外諸国も同じなのかもしれないけれど。