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 スタート以来、日経 xTECHの名物コラムとなった「テクノ大喜利、ITの陣」。今回はその第5回だ。毎回、複数の識者に共通のお題(質問)を投げかけ、識者にはそれに答える形で論陣を張ってもらう。お題は日本企業のIT利活用の問題点やIT業界の構造問題、そして世間の耳目を集めたIT絡みの事件などだ。

 第5回のお題は「なぜ日本のIT産業は没落したのか」。3番手として回答する識者は韓国人コンサルタントの廉宗淳氏だ。日本で起業して地方自治体などのシステム刷新をいくつも手掛けた廉氏は、人月ビジネスの持ちつ持たれつの関係性の中に日本のIT産業の根本的問題を見る。独自の製品サービスで戦うITベンチャーが日本よりはるかに多い韓国の意外な事情との対比も興味深い。(編集部)

廉 宗淳(ヨム ジョンスン)
e-Corporation.JP 代表取締役社長
廉 宗淳(ヨム ジョンスン) 韓国ソウル市公務員を経て、1993年に来日。2000年にe-Corporation.JPを設立し代表取締役社長に就任。2005~2010年、聖路加国際病院ITアドバイザー。2007~2017年、青森市情報政策調整監(CIO補佐官)。2008~2015年、佐賀県統括本部情報課情報企画監。2013~2014年、大阪府・大阪市特別参与(IT担当)。2015~2017年、パシフィックコンサルタンツITアドバイザー。2014~2016年、佐賀県多久市ITアドバイザー。学術博士。
【質問1】なぜメインフレーム全盛期に日本のIT産業は世界と戦えたのか
【回答】日本のものづくり技術で躍進し、競争の少ない環境を謳歌できた
【質問2】日本でマイクロソフトやSAP、GAFAが生まれない理由は何か
【回答】日本のIT業界に独自の生態系、世界を目指すベンチャー企業は生まれない
【質問3】人月商売が主たる事業となったITベンダーに未来はあるか
【回答】「鵜(う)飼いの鵜」から脱却すれば、明るい未来をつくっていける