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変革人材の特徴その2:野蛮人

 変革を進めるには、ある種の鈍感さが絶対に必要だ。細かいことを気にしたり、誰かの懸念に丁寧に対応しすぎたりする人は、大胆な変革をやり通せない。

 何かを変えようとすると、必ず「それはこういう理由でうまくいきません」と言い出す人がいる。厄介なことに、局所的にはその指摘は正しい。確かに作業の一部の効率が落ちたり、満足度を落とす顧客がいたりする。

 それでも「いろいろあるのは分かるけど、この現状は容認できない」「そう簡単にいかないのは分かるけど、最終的にはこうやるのが一番いいはず」といった信念で、ブルドーザーみたいに細かいことをなぎ倒し、本質的なことだけに真っすぐ取り組むマインドが欠かせない。優等生から見ると、そういう人はがさつな野蛮人に見えるだろう。でも、そういう人こそが変革をリードできる。

変革人材の特徴その3:保守本流ではない

 野蛮人であることとも関連があるのだが、いくら仕事ができても優等生すぎる社員だと変革人材としては厳しい。異様に複雑で煩雑な作業も、優秀だからこなせてしまい、課題だと感じないことがある。そうすると組織に課題が残ったり、固定化されたりする結果を招く。

 緻密すぎる制度を設計して、(その人以外は)運用が追いつかない状態を作ってしまう人もいる。大企業で優秀だとみなされて本流の仕事をしている人に、こういうタイプが結構多い。問題なのは、今の価値観にどっぷりはまりすぎて「この作業やる意味があるのか」「このサービスを顧客は喜んでいるのか。喜んでいたとしても売り上げにつながっているのか」みたいな「そもそも論」を問いかける姿勢が弱いことだ。

 頭が良いので、多少理不尽な作業でも「これにはこんな意味がある」と理由づけてしまうケースもよくある。私のような事情を知らない門外漢からすると「いやいや、どんな理屈を付けても、これは無駄でしょ」とか「顧客は離反するでしょ」とか思うようなことでも、本人は何らかの意味を見いだして作業をしているのだ。一方、保守本流でない人はそういう発想とは無縁でいられるケースが多い。

 さて、変革人材の3つの特徴を備えた同僚を思い浮かべられるだろうか。こんな記事を好んで読んでいるのだから、あなた自身が該当する可能性は結構高い。だが他の同僚となると、思い浮かばないかもしれない。そんな人材は組織の中で長くサバイバルするうちに、組織に埋もれてしまっているのだ。

 DXをミッションとしてCDO(最高デジタル責任者)やCIO(最高情報責任者)がヘッドハンティングされることは多いが、そういう人材が入社して真っ先に始めるのも、埋もれた人材探しだ。デジタル活用や変革をテーマにトレーニングを開き、そこでのディスカッションや演習を通じて変革人材を探すパターンが多い。