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 スタート以来、日経 xTECHの名物コラムとなった「テクノ大喜利、ITの陣」。今回はその第6回だ。毎回、複数の識者に共通のお題(質問)を投げかけ、識者にはそれに答える形で論陣を張ってもらう。お題は日本企業のIT利活用の問題点やIT業界の構造問題、そして世間の耳目を集めたIT絡みの事件などだ。

 第6回のお題は「働かせ方改革と皮肉られる日本の働き方改革の行方」。答える識者の3番手は東京理科大学大学院の田中芳夫教授だ。日本の大手製造業から外資系コンピューターメーカーに転職し、後に外資系ソフトウエア会社でCTO(最高技術責任者)を務めた田中氏の目には、グローバル競争で落ちこぼれつつある日本企業の働き方改革ブームはどう映ったか。(編集部)

田中 芳夫(たなか よしお)
東京理科大学大学院 経営学研究科技術経営専攻 教授
田中 芳夫(たなか よしお) 1949年生まれ。大学卒業後に大手重工業メーカーに入社し、システム開発などを担う。1980年に外資系コンピューターメーカーに転職しシステム・製品開発に従事。日本のPCの標準化にも尽力した。2005年に外資系ソフトウエア企業に初代CTOとして入社。2007年より国立研究開発法人に参画するとともに、東京理科大学大学院にてソフトウエア開発、技術戦略などを講義。現在「ものこと双発」の旗の下に産業や社会の構造改革を目指す。
【質問1】企業や役所の働き方改革ブームをどう見るか
【回答】企業の仕組みを変えるところから始めないと隠れ残業の促進になるだけ
【質問2】RPAやテレビ会議などデジタル活用の問題点は?
【回答】若い世代ならスマホでテレビ会議は当たり前、問題は中高年世代の管理職
【質問3】真の生産性向上や創造的な仕事を実現する策はあるか
【回答】創造性のある若い人の発想をつぶさないということに尽きる