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 スタート以来、日経 xTECHの名物コラムとなった「テクノ大喜利、ITの陣」。今回はその第7回だ。毎回、複数の識者に共通のお題(質問)を投げかけ、識者にはそれに答える形で論陣を張ってもらう。お題は日本企業のIT利活用の問題点やIT業界の構造問題、そして世間の耳目を集めたITがらみの事件などだ。

 第7回のお題は「権限もなし能力もなし、日本企業のCIOに未来はあるか」。最初に回答する識者は韓国人コンサルタントの廉宗淳氏だ。日本で起業して地方自治体や企業のIT利活用の実情に詳しい廉氏は、欧米企業の役職をまねた形だけのCIO(最高情報責任者)制度の問題点を指摘する。その上で、IT部門の責任者をCIOにすることに異議を唱える。(編集部)

廉 宗淳(ヨム ジョンスン)
e-Corporation.JP 代表取締役社長
廉 宗淳(ヨム ジョンスン) 韓国ソウル市公務員を経て、1993年に来日。2000年にe-Corporation.JPを設立し代表取締役社長に就任。2005~2010年、聖路加国際病院ITアドバイザー。2007~2017年、青森市情報政策調整監(CIO補佐官)。2008~2015年、佐賀県統括本部情報課情報企画監。2013~2014年、大阪府・大阪市特別参与(IT担当)。2015~2017年、パシフィックコンサルタンツITアドバイザー。2014~2016年、佐賀県多久市ITアドバイザー。学術博士。
【質問1】デジタル担当役員がいれば十分、CIOは不要では?
【回答】何でもかんでも欧米企業をまねて、CDOという「形」を整える必要はない
【質問2】なぜ日本企業にはダメCIO、エセCIOが多いのか
【回答】 CIOの本質を理解せずに任命するから「最高イミテーション責任者」が増殖
【質問3】CIOを目指す技術者にどんなアドバイスを贈る?
【回答】CIOは技術者として物を申す立場ではない、経営全般の知識を身に付けよ