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DC内のアクセスには10GbE

 3つ目の理由は、データセンター(DC)における仮想マシンの高密度化である。データセンターでは、サーバーとスイッチの接続(アクセスレイヤー)に10GbEが使われる。昨今のデータセンターでは仮想化技術が広く利用されており、1台のサーバー上で多数の仮想マシンが稼働する。

 このため各サーバーがデータセンターの外部とやりとりするトラフィックや、データセンター内でサーバー同士がやりとりするトラフィックは、仮想マシンの集約度に応じて増えていく。

 また昨今のデータセンターでは、ストレージ機器をイーサネットで接続するケースが多い。各サーバーのディスクをネットワーク越しに束ねて共有ストレージを形成する技術も使われている。こうした環境では、ディスクアクセスのたびにトラフィックが発生するため、広帯域のネットワークが必要となる。

 これらの理由などから、仮想化基盤の設計指針として、ネットワークは10GbEで接続することが推奨されている。今後ネットワークを更改する際には、GbEで接続された既存のサーバーを継続して利用するというケースも想定されるが、サーバーを新設する多くのケースでは10GbEに対応したNICを選択することになる。

 併せて、スイッチも10GbE対応モデルを選ぶ必要がある。現在販売されている多くの10GbE対応スイッチ製品は、上位との接続用(集約レイヤー)に40ギガビットイーサネット(40GbE)や100ギガビットイーサネット(100GbE)のポートを複数備えている。LAGにより複数の10GbEのリンクを複数束ねてスイッチ間を接続することも可能だが、40GbE/100GbEを利用するためのコストも下がってきており、集約レイヤーに40GbE/100GbEを使うことで、少ないリンク数で必要な帯域を確保できる。

25GbEの採用が始まる

 最新の動向として、データセンター内で使われるNICとスイッチで25ギガビットイーサネット(25GbE)の採用が海外を中心に進んでいる。大規模なデータセンターではサーバーとスイッチの接続にも10Gビット/秒より広い帯域が要求されるようになっているからだ。

 40GbE/100GbEは、その速度を実現するため10Gbpsもしくは25Gbpsの伝送路(レーン)を4本束ねて並列伝送を行う「マルチレーン」という技術を使っている。このため10Gbpsと比較してフォームファクター(インターフェースモジュールの形状)やコストに大きなギャップがある。

 対して25GbEは、25Gビット/秒のレーン1本だけを使う仕様となっている。このため、25GbEは、ポート密度や価格において40GbE/100GbEより優位であり、10GbEと比較して2倍以上の帯域を提供できる。

 アクセスレイヤーで10GbEより高速な帯域を必要とするかは環境次第であり、今後しばらくは10GbEで要求を満たせるケースも多いと考えられる。ただし、国内でもビッグデータの基盤などでは、25GbEが既に導入されている例もある。ネットワークの増速が見込まれる環境では、25GbE対応の製品を選定しておくと、後の拡張においてもスムーズに移行できるだろう。

既設配線が使える2.5GbE/5GbE

 企業で使われる主なイーサネット規格をまとめた。伝送媒体(メディア)の違いによって、より対線のLANケーブルと光ファイバーケーブルの2種類に分けられる。

主なイーサネット規格
主なイーサネット規格
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 まずはLANケーブルのほうから見ていこう。伝送速度を上げると信号の周波数が高くなるため、それに応じてLANケーブルには高い性能が求められる。これは「カテゴリー(Cat)」という分類で示される。

LANケーブルのカテゴリーと最大伝送距離
LANケーブルのカテゴリーと最大伝送距離
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