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 2020年11月に一部改良したFR(前部エンジン・後輪駆動)セダンのレクサス「IS」と「LS」。それぞれのエンジン車とハイブリッド車(HEV)の計4台に試乗し、これぞトヨタ自動車の真骨頂とうなったのがHEV「IS300h」だ。余裕を感じる滑らかな走りと、アクセルに素早く反応して加速するレスポンスの良さが際立っていた。低速からの加速時にパワーユニットの心地良い音と加速度がうまくかみ合って、意のままに楽しく走れる。

ISのハイブリッドシステム
ISのハイブリッドシステム
(出所:トヨタ)
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 IS300hのパワーユニットは、排気量2.493Lの直列4気筒直噴ガソリンエンジン「2AR-FSE」と、2モーター搭載のトヨタ・ハイブリッド・システム(THS)である。これほど上手にまとめられたのは、モーターの動力性能をかなり重視していることが大きいとみる。いずれもハードウエアを変更していない。

 改良前からそうだが、加速時(過渡時)のエンジンとモーターを合計した実トルクに余裕があるのだろう。加えて、今回モーターのアシスト力を大きくしたことが効いている。最高出力はエンジン131kW(6000rpm)、モーター105kW、最大トルクはエンジン221N・m(4200~4800rpm)、モーター300N・mと拮抗する点を制御で最大限生かした形だ。

 最大の特徴は、電池容量は同じままに使用範囲を広げることでモーターへの供給電力を大きくし、それを走りの大幅な向上につなげたことだ。使用範囲の拡大は実走行燃費にも大きく貢献し、一石二鳥である。燃費性能はWLTCモードで18.0km/Lと高い。

 電池の充電範囲を示すSOC(State of Charge)の具体的な拡大率は明かされていないが、筆者の予想では、もともとSOCで40~60%くらいにとどめていた使用範囲を上下に15ポイント前後広げて、25~75%くらいで使っているのではないか。