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 「雨が降ってとても難しい状況だったが、チームが頑張ってくれた。チームの作戦通り、燃料消費を抑える走り方をやり遂げられた」。

2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦で優勝したTCSナカジマレーシング64号車とアレックス・パロウ選手
2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦で優勝したTCSナカジマレーシング64号車とアレックス・パロウ選手
(出所:日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ)
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 2019年7月14日に静岡県小山町の富士スピードウェイで開催された自動車レース、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦。雨模様の中、見事優勝したTCSナカジマレーシング64号車のドライバーを務めるスペイン人のアレックス・パロウ選手は笑顔を見せつつ、冷静にレースを振り返った。

富士スピードウェイの表彰台で優勝トロフィーを掲げるTCSナカジマレーシングのアレックス・パロウ選手(左から2人目)と中嶋悟監督(同3人目)
富士スピードウェイの表彰台で優勝トロフィーを掲げるTCSナカジマレーシングのアレックス・パロウ選手(左から2人目)と中嶋悟監督(同3人目)
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 スーパーフォーミュラは日本最高峰のフォーミュラカー(スピードを重視し車輪とドライバーがむき出しになった形状のクルマ)による自動車レースだ。最高時速は300キロメートルに及ぶ。元F1ドライバーの小林可夢偉選手、同じく元F1ドライバーで世界最高峰のレース、ル・マン24時間を2018年から2年連続で制した中嶋一貴選手ら、日本を代表するトップドライバーが競う。

 外国人ドライバーの参戦も多い。優勝した22歳のパロウ選手は2019年からスーパーフォーミュラに参戦した新人。4戦目にして早くも栄冠を手にした。

「雨のナカジマ」に沸いた場内

 TCSナカジマレーシングを率いるのは元F1ドライバーの中嶋悟監督だ。現役引退後は若手ドライバーの育成に注力すると共に、スーパーフォーミュラなどのレースに参戦してきた。

決勝レーススタート直前に緊張した表情を見せる中嶋悟監督
決勝レーススタート直前に緊張した表情を見せる中嶋悟監督
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 チームとしては実に9年ぶりの優勝だった。現役時代に雨天のレースを得意とし「雨のナカジマ」と呼ばれた中嶋監督が優勝監督として表彰台に上り、場内は大いに沸いた。中嶋監督は「チームもパロウも計算通りのレースができた。彼はもちろん、チームの若いエンジニアにとっても初めての優勝なので、その喜ぶ顔を見るのがうれしかった」と目を細めながら話した。