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 「クルマの調子は良かったが、思ったほどタイヤが持たず結果が出なかった。タイヤのマネジメントについて、さらにデータ分析を徹底して次戦以降に生かしたい」。

2019年スーパーフォーミュラ第4戦で富士スピードウェイを走行するリアルレーシング17号車。ドライバーは塚越広大選手
2019年スーパーフォーミュラ第4戦で富士スピードウェイを走行するリアルレーシング17号車。ドライバーは塚越広大選手
(出所:REAL RACING)
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 2019年7月13日と14日に静岡県小山町の富士スピードウェイで開催された自動車レース全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦について、REAL RACING(リアルレーシング)の金石勝智監督はこう振り返る。リアルレーシングはドライバー塚越広大選手の17号車でスーパーフォーミュラに参戦している。予選11位から決勝18位へと順位を落とし、不本意な結果に終わった。

 タイヤの扱いはレースの勝敗に直結する。優勝したTCSナカジマレーシング64号車はタイヤのマネジメントに成功したのが勝因だった。

 スーパーフォーミュラのルールではタイヤの使用数に制限がある。第4戦は予選も決勝も雨天だった。ぬれた路面用のウエットタイヤは予選・決勝を通じて4セットしか使えない。走るうちにゴムがすり減って性能が落ちていく。スピードを上げればタイヤの減りも早まる。スピードを抑えればタイヤを温存しやすいが、抑えてばかりではレースに勝てない。

アビームがITで支援

 ドライバーやエンジニアはタイヤの状態を考慮しながら作戦を組み立てる。金石監督はこの点で頭を悩ませている。「今シーズンに入ってから、うちのクルマとタイヤの組み合わせでタイヤがすり減りやすい傾向がある。連続走行時間が短い予選では好成績を残せるが、走行時間が長い決勝ではタイヤのすり減りが早く順位を落としがちだ。ドライバーもチームもこの認識を共有しているが、原因まで迫りきれていない。何とかパートナーと協力しながら、データを手掛かりに原因を究明したい」と金石監督は話す。

アビームコンサルティングの久保田圭一執行役員Sports&Entertainmentセクター長(左)とリアルレーシングの金石勝智監督
アビームコンサルティングの久保田圭一執行役員Sports&Entertainmentセクター長(左)とリアルレーシングの金石勝智監督
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 金石監督がパートナーとして頼りにするのがアビームコンサルティングだ。アビームはITでスポーツチームを支援する事業を手掛け、サッカーやヨットなどのチームを支援してきた実績がある。その一環としてモータースポーツ分野で2017年からリアルレーシングを支援している。海外では、北米の自動車レース「NTTインディカー・シリーズ」で佐藤琢磨選手をサポートする。

 アビームは技術開発にも積極的だ。ドライバーが無線機を通じて音声で「後ろのクルマのペースは」などと問いかけると、内容を認識して音声で自動回答する仕組みを開発し、特許を取得している。