MACアドレスを用いたフィルタリングを設定
MACアドレスフィルタリングは、PCやスマホ、タブレットなどの機器のネットワークアダプターが持つMACアドレスという固有番号で、Wi-Fiの接続制限をかける機能だ。Wi-Fiルーターによっては「MACアクセス制限」などとも呼ばれる。Wi-Fiルーターに登録したMACアドレスを持つ機器のみが通信できるため、万が一SSIDと暗号キーが突破されても、第三者からのアクセスを防げる。
MACアドレスは物理アドレスとも呼ばれ、Wi-Fiだけでなく有線LANや携帯電話アダプターなど、ネットワークにつながる機器は必ず持っている。「01-23-45-67-89-ab」「01:23:45:67:89:ab」のような、2桁の16進数を6個並べた数値で表される。うち前半3個はグローバルアドレスと呼び、ネットワーク機器を製造したメーカーを表す。後半3個はローカルアドレスと呼び、機器固有の番号である。
このMACアドレスをWi-Fiルーターに登録して、登録済みの機器だけを通信可能にするのがMACアドレスフィルタリングだ。Wi-FiルーターでMACアドレスフィルタリングを設定する場合、PCだけでなくスマホやタブレット、プリンターやテレビなどWi-Fiで接続する全ての機器のMACアドレスを登録することが必要になる。
MACアドレスを確認するには、Windows 10の場合「設定」の「ネットワークとインターネット」にある「ネットワークのプロパティを表示」の「物理アドレス(MAC)」を見る。一部のPCは、製品名を表すラベルと共に記載されている場合がある。
Androidは「設定」の「システム」にある「端末情報」の「Wi-Fi MACアドレス」を確認する。iOSは「設定」の「一般」にある「情報」を開いて、「Wi-Fiアドレス」の値を確認する。
Wi-Fiルーターの一部機種は、Wi-Fiルーターに接続している全ての機器を一覧表示でき、その画面からMACアドレスフィルタリングを登録できる。この方法でMACアドレスフィルタリングを登録するほうが、手作業で入力するよりも楽で確実だろう。
一見すると完璧に見えるMACアドレスフィルタリングだが、MACアドレスは偽装するのが簡単という欠点がある。MACアドレスフィルタリングで登録しているMACアドレスを知られてしまうと、簡単に突破されてしまうので過信は禁物だ。