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 1994年に発売された大人気ゲーム「ファイナルファンタジーVI(FF6)」(スーパーファミコン版)をやりこみ、2019年になっても未発見の「バグ」を見つけ出し続けている人がいる。ここ数年、熱心なゲームファンを何度も驚かせているのが、「エディ」のハンドルネームで知られるプレーヤーだ。必須のイベントをクリアせずに先に進める方法を見つけ出し、毎年のようにゲームクリアまでの「歩数」の最少記録を更新している。

ファイナルファンタジーVIのゲーム画面
ファイナルファンタジーVIのゲーム画面
(c)1994 SQUARE ENIX CO., LTD.All Rights Reserved.
LOGO & IMAGE ILLUSTRATION:(c)1994 YOSHITAKA AMANO
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 本記事でいうバグとは、ゲーム開発者が意図していなかったと推測される仕様を含む。特別な操作をすると通常とは異なる挙動となり、いわゆる「裏技」が可能になる。

 FF6スーパーファミコン版はスクウェア(現スクウェア・エニックス)が開発したロールプレイングゲーム(RPG)で、美しいグラフィック、ドラマチックなシナリオ、完成度の高いゲームシステムが好評を博し、全世界で約340万本の売り上げを記録した。人気は根強く、プレイステーション、ゲームボーイアドバンス、スマートフォンなど様々なプラットフォームにも移植された。

 エディさんは年号が令和に変わった2019年になってもFF6をプレーし続け、誰も見つけていなかったバグを発見し、バグを活用した新しい攻略方法を編み出す。同氏はバグや攻略方法を紹介する動画の投稿もしている。2018年にニコニコ動画に投稿した動画はそれまでの常識を覆すバグの使い方がゲームファンに衝撃を与え、再生数は40万を超えた。2019年4月と5月にも、今までにない攻略が可能になる新しいバグを発見した。

 なぜFF6のやりこみを続けるのか。発売から25年が経過したゲームで新しいバグを見つけ出せるのは、どのような着眼点を持っているからなのか。エディさんに直接会い、話を聞いた。

スーパーファミコン版FF6とほぼ同い年

 取材の場に姿を現したエディさんは20代半ばの青年。スーパーファミコン版のFF6とほぼ同い年という。初めてFF6に触れたのは2011年。ソニーが運営するゲームダウンロード販売サービス「ゲームアーカイブス」で配信された、プレイステーション移植版のFF6を遊んだのが最初の出会いだった。「よくできたRPGという印象を持ち、ごく普通に楽しんだ」(エディさん)。

「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」を操作するエディさん
「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」を操作するエディさん
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 この出会いがエディさんの運命を変えた。やりこみに熱中するようになったのは、2つの要因があった。

 1つは、プレイステーション移植版のFF6に登場する「やりこみじいさん」というキャラクターだ。やりこみじいさんは、ゲームをクリアしたときの歩数や時間、キャラクターのステータスなどの最大値と最低値を教えてくれる。これがエディさんの挑戦心に火を付けた。エディさんは「全てはやりこみじいさんのせい」と笑う。

 ゲーム内のキャラクターの歩数をいかに低く抑えてクリアするかを競う、「低歩数クリア」に挑むようになった。