自動運転車の周囲を3次元的に把握するセンサーのLiDAR(Light Detection and Ranging)が、新たな進化を遂げている。検知能力の向上を狙い、2025年の実用化を目指す新技術の導入が目立つ。従来は、コスト低減や信頼性改善に向けた機構部の改良「メカレス化」が主流だった。一方、メカレス化した既存品は、依然として数万円レベルと高価で、性能改善の余地は残るものの、2021年には市販車に載り始める。LiDARの最新動向を解説する。
連載
メカレスLiDAR、レーダーに勝てるか
目次
-
“LiDAR+アクティブサス”で乗り心地よく、「自動運転はまだ先」
ベルギーのベンチャー企業であるゼノマティクス(XenomatiX)は、マルチビーム型と呼ぶ独自技術によるメカレスLiDARを開発・販売している。マルチビーム型は、対象物との距離を測定するための近赤外レーザー光を測定対象エリア全面へ同時に照射する。ただし、照射光は、フラッシュ型のような面状ではなく、…
-
車載LiDARの距離計測に脱ToFの動き
自動車の外界センシングに有効なLiDAR(Light Detection and Ranging)で、距離計測手法を工夫する開発が活発だ。
-
車載LiDARの測距用の波長を長く、SN改善へ
自動車の外界センシングに有効なLiDAR(Light Detection and Ranging)の進化が著しい。レーダーやカメラなど他の車載センサーとの厳しい競争環境で採用を拡大するため、特にLiDAR専業メーカーが、低価格化しやすいメカレス型を前提に、特徴ある新技術を開発中である。
-
想定より安くならないLiDAR、高性能化するレーダーと競合
自動車の外界センシングに有効なLiDAR(Light Detection and Ranging)の価格が、2016~2017年にLiDARメーカーが期待していたペースでは低下していない。コストを上昇させる主要な要因のスキャン機構をメカレスにするだけでは不十分で、量産が必要になる。
-
イスラエルのベンチャー、MEMS型LiDARを2021年にも市販車へ
自動車の外界センシングに有効なLiDAR(Light Detection and Ranging)が、2021年にも市販車に載る(関連記事1「メカレスLiDARが第2世代へ、完全自動運転車の礎に」)。ドイツBMWは、2021年秋に出荷見込みの車両に、LiDARメーカーのイスラエルInnoviz T…