自動車の外界センシングに有効なLiDAR(Light Detection and Ranging)の価格が、2016~2017年にLiDARメーカーが期待していたペースでは低下していない(図1)。コストを上昇させる主要な要因のスキャン機構をメカレスにするだけでは不十分で、量産が必要になる(関連記事1「メカレスLiDARが第2世代へ、完全自動運転車の礎に」)。車載での量産実績があるレーダーやカメラとは異なり、初めての車載品となるLiDARでは、出荷増と価格低減は「鶏と卵」の関係になる。
2016~2017年ころには、メカレス型で2020年ごろまでに100米ドルを切る見通しがあった(関連記事2「LiDAR、価格破壊」)。しかし、実際に自動車メーカーが満足するLiDARを開発中のメーカーの直近の見通しは、2025年においても100~数百米ドルである。