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 当社は夢の絆をはじめとする物流拠点や雲の宇宙船などのシステムを連動させて、LPガス事業の概念を革新しようと考えています。そのビジョンが「配送4.0」です。内陸での充填業務は完全に廃止し、輸入基地のそばのハブ充填基地を使って無人運用で充填します。

 渋滞のない夜間を中心に内陸の無人デポステーションに大型トレーラーで持ち込み、現地では指定された位置に停車します。運転席を外せばそのまま車両が容器置き場に変わります。そのまま引き上げ容器の架台に運転席を接続してハブ基地に戻るまでの間、力仕事は全くありません。お年寄りでも女性でも、資格があれば自分の必要に応じた仕事が可能ということです。このニチガス独自のシステムも、各種ビジネス特許を含めて他社に提供するつもりです。

「配送4.0」の概要
「配送4.0」の概要
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 お客様宅での検針業務についてもDXに取り組んでいます。そのためにソラコムと共同開発したのが新型NCU(ネットワーク・コントロール・ユニット)の「スペース蛍」です。オフラインのガスメーターに取り付け、検針データを1時間おきに自動送受信できます。独立した電源で10年間動きます。

 特徴は従来のNCUに比べて高いクオリティーとコストパフォーマンスを両立したことです。世界100カ国の通信キャリアと連携できること。国内のLTE-MやSigfox通信に対応したハイブリッドなNCUであること。これまでのNCUの720倍のデータを計測しながら、10年間自立稼働すること。5分とかからず装着できること。デザイン性を高めたうえに軽量でコンパクトであることなどです。

 メーターとリアルタイム連携したことで、配送を予想からリアルタイム実績で運用して回転率の高い配送システムが完成しました。これまでは予備容器を残す「半数交換」が主流でしたが、全数交換が可能になります。これにより配送回転数を4割削減できると想定しています。保安情報のアラート等をリアルタイムに入手できるようになるため、検針業務だけでなくメーターの開栓閉栓も遠隔で実施していきます。

「スペース蛍」の概要
「スペース蛍」の概要
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 スペース蛍を活用することで、検針業務や配送業務を改革できます。検針業務については、遠隔監視や業務フローのデータからAIを使ってお客様の生活動態を分析し、最も効率的な利用方法の提案などにつなげていけると考えています。

 配送のトレーサビリティーがリアルタイムに可視化されることにより、LPG版託送という概念を新たに組み上げました。電気やLNGの熱量単位を統一しながら、エネルギー託送の概念をつくり上げたいと思っているところです。ブロックチェーンの仕組みを組み込み、ガラス張りの託送システムを目指します。

 翌日の配送リストを配送員の配送ランクに応じて自動的に割り振るようにします。基本配送ルートについてもお客様の緯度/経度のデータを使って正確に自動解析します。配送員が配送順を組み替えれば、1車両目と2車両目それぞれの積載容器の種類と本数が自動的に割り当てられる仕組みです。配送員はシステムの指示通りに動けばよいわけですね。AIが配送データをリアルタイムに解析し、配送員や配送エリアの特性を分析して配送指示をさらに効率化していきます。

スペース蛍を活用した配送業務の変化
スペース蛍を活用した配送業務の変化
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