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 当社はこの5年くらい、毎年新規路線を開設するようにしてきました。例えば米ヒューストンやベルギーのブリュッセル、最近ではオーストリアのウィーンといった新規路線を展開しています。ボーイング777のような大型機を飛ばすほどの需要は見込めないところにも、中型機の787を使えば新規路線を開設できることが鍵になっています。

 これから納入される航空機で楽しみなのは、日本初の国産ジェット機MRJです。三菱重工業グループの三菱航空機が社運を懸けて取り組んでいる航空機です。つい先日、スペースジェットと名前を変えましたけれども、我々は来年のデリバリーを楽しみにしています。

 さらにその先の納入予定として、ボーイング777の次世代機である777-9も発注しています。これらは来年、首都圏の発着枠が増えることを踏まえて発注しているものです。ANAグループは、航空機の発展とともに成長してきたことがお分かりいただけると思います。

(撮影:井上 裕康)
(撮影:井上 裕康)
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サービスと社員の働き方、ITで進化

 次に、サービスや社員の働き方がどのように進化してきたかを紹介します。お客さま向けのサービスでは、1993年に導入したフリークエント・フライヤー・プログラム(FFP)、いわゆるマイレージプログラムが挙げられます。1986年に国際線へ進出した際、乗る回数が増えるごとにポイントが付いていくFFPというものが海外にあると知りました。

 これを日本に導入するかどうかで議論はありました。必ずしも入れなくてもよかったのですが、当社は導入しました。今ではこうしたFFPは、航空会社にとってマーケティング上の重要なツールになっていますし、この仕組みを活用することでさまざまなプログラムもできます。お客さまにとってもインセンティブになっていますし、今ではもうFFPは航空会社のビジネスにとって切っても切れない仕組みだと思っています。

 2006年には「スキップサービス」を導入しました。これは空港の有人カウンターに行かなくても、ICチップやQRコードなどをそのまま保安検査場や搭乗口の端末にかざして通過できるサービスです。これも、今は日本だけではなく世界の主流になっていると思います。

 2013年にはスマートフォンやタブレット向けの「ANAアプリ」を提供開始しました。意外と遅いと思われるかもしれません。それまではパソコンのWebサイトからのアクセスが主流でしたので、パソコンのディスプレーに合わせてWebサイトの画面も横型にしていました。これをスマートフォンの画面に合わせた縦型にしていくこと、縦型にする必要性に気付くことに結構時間がかかり、遅くなったのだと思います。