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利益率45%を誇るカカクコム

 次に収益力(売上高営業利益率)について見てみよう。ランキングの首位はカカクコム。営業利益率は45.7%と飛び抜けている。レストラン検索の「食べログ」などの知名度が高いサイトを運営する。飲食店からの広告・課金収入に加え、有料会員の収入もあり、高収益を実現した。

 2位はエムスリーの27.2%。同社はは国内で約27万人以上の医師が会員登録する情報サイト「m3.com(エムスリードットコム)」を運営する。医薬情報担当者(MR)の役割をネット上で代替し、製薬会社などから販促費を得る仕組みだ。

 3位はZOZOの21.7%で、前年度から11.5ポイント下げた。自社の衣料品ブランド事業の目玉として開発した全身採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」を無料配布したコストがかさみ利益を押し下げたものの、依然として高い収益力を維持する。同社は衣料品ECモール「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営し、出店企業から販売額の3割超の手数料を受け取っている。

年収600万円未満は3社

 2018年度の平均年間給与はネット企業10社の単純平均で669万円。ITサービス企業上位30社の平均額753万円と比べて84万円低いものの、平均年齢は単純平均で34.2歳とITサービス企業の40.6歳よりも6歳ほど若い。創業からの期間が短い企業が多いことに加え、若年層向けサービスを開発するため若手エンジニアを積極的に採用しているのがその理由だ。

 平均給与ランキングの首位はエムスリーで791万円。前年度から0.3%伸びた。次いでディー・エヌ・エーが1.3%増の768万円、ヤフーが0.2%減の765万円となった。

 平均年間給与が600万円に満たない企業は工具通販サイト大手MonotaROとフリマアプリのメルカリ、ZOZOの3社だった。ただ、ZOZOはシステムエンジニアを子会社のZOZOテクノロジーズに集約しているため、給与の平均にエンジニアの額が含まれていない。出店ブランドを担当する営業やオペレーターなどZOZO単体の給与の平均となる。MonotaROとメルカリも、オペレーターや本部スタッフの給与を含んだ平均となる。

 最近はネット企業の間でも、GAFAに負けないように好条件を提示し優秀な人材の獲得を狙う動きが活発になっている。ZOZOは2018年に高度な技能を持つ技術者を最高年収1億円で雇用すると公表した。2019年夏には10日間で39万円を支給する学生向けインターンを開催する。LINEも優れた若手技術者を年収1000万~2000万円で雇用すると表明している。

 ネット企業10社の取締役の平均報酬は単純平均で8562万円。従業員の平均給与の約13倍となる。最も取締役の平均報酬が高いのがLINEで2億9340万円。次いで楽天の1億3833万円、ヤフーの1億3600万円と続いた。

 個人としての報酬総額が最も高額だったのはLINEの慎ジュンホCWO(最高WOW責任者)の5億8900万円。2019年4月1日付で代表取締役に就いた。次いでメルカリのジョン・ラーゲリン取締役CBO(最高事業責任者)の4億7300万円。メルカリ米国法人のCEO(最高経営責任者)を務める。日本人トップはLINEの出澤剛社長兼CEOの3億1500万円。楽天の三木谷浩史会長兼社長は1億4500万円、ZOZOの前澤友作社長は1億8400万円だった。

 ただし、創業経営者の多くは大株主として多額の配当を受け取っている。株式の保有数から2018年度に受け取った配当金を計算すると、楽天の三木谷氏が7億9339万円、ZOZO前澤氏が26億円、サイバーエージェントの藤田晋社長が8億2910万円、ディー・エヌ・エーの南場智子会長が7億9112万円だった。経営者の親族や資産管理会社が大株主になっている場合、さらに多くの配当を得ている可能性がある。