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 竹中工務店は建築の設計・施工に参加する関係者の間で、建物の形状や空間を共有する手段の1つとして、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の活用を検討している。

 そのための機器として、米マイクロソフト(Microsoft)のMR(複合現実)用ヘッドマウントディスプレー「HoloLens(ホロレンズ)」を以前から試行してきた実績がある。MRはMixed Realityの略。VRやARなどを組み合わせたものを総称して、そう呼ぶことがある。

 HoloLensの最新機種である「HoloLens 2」が、2019年12月に竹中工務店に2台届いたというので、私は早速、試させてもらうことにした。同社の設計・施工に最新技術をいち早く取り入れている、設計部設計第2部門設計4(アドバンストデザイン)グループの花岡郁哉グループ長が声をかけてくれた。仕事納めが近づいた19年末、竹中工務店の東京本店を訪れた。

 マイクロソフトがHoloLens 2の出荷を始めたのは19年11月7日。日本での価格(税別)は1台、38万3800円と高額だ。値付けからも分かるように、主に法人利用を想定している。開発会社向けの出荷に続き、竹中工務店のような一般企業にもHoloLens 2の出荷がようやく始まったことになる。

 重厚な楕円形の専用容器に入ったHoloLens 2は、利用者が登録されている。複数台を注文していた竹中工務店にまず来た2台は、頭にかぶって両目のレンズ越しに見えてくる最初の仮想画面の上部に、利用者として竹中工務店のロゴマークが入っている。

竹中工務店に届いたHoloLens 2と専用容器(写真:日経アーキテクチュア)
竹中工務店に届いたHoloLens 2と専用容器(写真:日経アーキテクチュア)
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HoloLens 2を前方から見たところ。センサーがたくさん付いている(写真:日経アーキテクチュア)
HoloLens 2を前方から見たところ。センサーがたくさん付いている(写真:日経アーキテクチュア)
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HoloLens 2を横から見たところ。前後の重さが均等になるように改良し、かぶったときに頭や首が疲れるのを緩和した(写真:日経アーキテクチュア)
HoloLens 2を横から見たところ。前後の重さが均等になるように改良し、かぶったときに頭や首が疲れるのを緩和した(写真:日経アーキテクチュア)
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 本体を持ち上げてみると、見た目より軽い。重さは566gとのことだ。そして頭にかぶりやすい。

 眼鏡をかけている私は、眼鏡をかけたまま、頭にすっぽりとHoloLens 2を装着できた。これはいい。既にある様々なVRゴーグルなどを過去にたくさん試してきたが、私の場合は眼鏡が邪魔になり、かぶるのにひと手間かかることが時々ある。HoloLens 2には、その障壁がほとんどなかった。

 頭も小さい私は、大きさの調整も必要だ。それも本体のベルトで頭にフィットするように、楽にサイズ調整できた。

 それでは手始めに、バーチャルなピアノの鍵盤をたたいてみた。頭と目、両手がトラッキング(追跡)されており、空間上に表示された鍵盤は結構簡単に操作できた(私はピアノを弾けないのが悔やまれる)。

仮想の鍵盤でピアノを弾いてみた私。パソコンに映っているのは、私がHoloLens 2で見ている風景。鍵盤を確認できる(写真:日経アーキテクチュア)
仮想の鍵盤でピアノを弾いてみた私。パソコンに映っているのは、私がHoloLens 2で見ている風景。鍵盤を確認できる(写真:日経アーキテクチュア)
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 3次元(3D)のカラフルな小鳥も出てくる。私の目線の動きに応じて、小鳥も移動してくる。アイトラッキングを実感できる。