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 南米大陸アルゼンチン、大西洋に面するチュブ州プンタ・トンボ。ここにマゼランペンギンの巨大コロニー(生息する集落)がある。ペンギンだらけの光景は圧巻だ。

 そんなマゼランペンギンの飼育数が世界一の施設が、地球のほぼ裏側に位置する日本にある。新潟県上越市にある水族館「上越市立水族博物館 うみがたり」だ。うみがたりの2階には「マゼランペンギンミュージアム」がある。

マゼランペンギン飼育数世界一を説明するページ(写真:「上越市立水族博物館 うみがたり」のウェブサイト)
マゼランペンギン飼育数世界一を説明するページ(写真:「上越市立水族博物館 うみがたり」のウェブサイト)
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うみがたりの2階にある「マゼランペンギン ミュージアム」(写真:上越市教育委員会)
うみがたりの2階にある「マゼランペンギン ミュージアム」(写真:上越市教育委員会)
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 展示エリア内の見学コースには、ガラスなどの仕切りがない。岩場の間の道から、マゼランペンギンを間近で見られる。この近さが人気を呼んでいる。

 実はこの岩場、プンタ・トンボの生育環境を再現したものだ。とはいえ、岩を現地から運び込んだわけではない。似せてつくった擬岩でできている。そしてこの擬岩を設計したのは、建築の設計者である。

マゼランペンギンが暮らす岩場は、建築の設計者がデザインした(資料:日本設計)
マゼランペンギンが暮らす岩場は、建築の設計者がデザインした(資料:日本設計)
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 うみがたりの施設を設計したのは、日本設計だ。同社は建物はもちろんのこと、水槽や水中トンネル、岩場まで設計している。

 巨大な水槽の中に設置する海底地層や、ペンギンミュージアムの岩場は全て人工物、擬岩で構成している。日本設計は岩場の形や通路を3次元で設計し、展示エリアへの岩場の収まりを確かめながら、実物の再現性を高めた。

「上越市立水族博物館 うみがたり」の平面図。ペンギンの展示エリアは、施設の中でかなり広い(資料:日本設計)
「上越市立水族博物館 うみがたり」の平面図。ペンギンの展示エリアは、施設の中でかなり広い(資料:日本設計)
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 私は日本設計の設計者と擬岩づくりの名人に、詳しく話を聞くことができた。そこでは、普段耳にすることがない、水族館づくりのノウハウや裏話があふれていた。

日本設計の設計者や擬岩づくりの名人から、岩場のデジタル設計について話を聞く私(右)。水族館づくりの話を聞くのは初めてだった(写真:日経アーキテクチュア)
日本設計の設計者や擬岩づくりの名人から、岩場のデジタル設計について話を聞く私(右)。水族館づくりの話を聞くのは初めてだった(写真:日経アーキテクチュア)
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