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 「DX銘柄2020(に選ばれた会社)は、業種平均の2倍のスコアを獲得しており、DX推進に先進的な企業の集合と言える」──。

 東京証券取引所は2020年8月25日、経済産業省と共同で「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2020」を選定した。DX銘柄とは、19年度まで「攻めのIT経営銘柄」と呼ばれていたものだ。20年度は選定の焦点をDXに絞り込み、名称をDX銘柄に変更した。

 DX銘柄2020に選ばれた企業は、全部で35社。建設業では鹿島とダイダンの2社が選出されている。両社とも15年度の選定開始以来、6回目にして初となる。鹿島とダイダンは「建設DX」の観点で見ると、全業種と比べても評価に値する取り組みを実践していると認められたことになる。

DX銘柄2020に選ばれた35社の顔ぶれ。建設業からは、一番上の緑枠で囲った鹿島とダイダンの2社が選出された(資料:経済産業省)
DX銘柄2020に選ばれた35社の顔ぶれ。建設業からは、一番上の緑枠で囲った鹿島とダイダンの2社が選出された(資料:経済産業省)
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 一覧を見ると、毎年のように選ばれている「常連組」と、DX銘柄に基準が変わって仲間入りを果たした「初顔組」に、大別できて面白い。鹿島とダイダンは、共に後者だ。

 私は第1回から選定を見てきた記者の1人だが、現在は建設業界を中心に取材する身として、鹿島とダイダンの2社および建設業界の傾向に注目した。

 とにかく最初に見てもらいたいレーダーチャートが、下の図だ。鹿島(赤色)と建設業平均(緑色)の差に注目してほしい。鹿島のスコアは、評価対象の6項目全てにおいて、建設業平均よりも飛び抜けて高いことが一目で分かる。

DX銘柄2020に選ばれた鹿島(赤色)と、建設業平均(緑色)の比較。鹿島のスコアは平均より飛び抜けて高い(資料:経済産業省)
DX銘柄2020に選ばれた鹿島(赤色)と、建設業平均(緑色)の比較。鹿島のスコアは平均より飛び抜けて高い(資料:経済産業省)
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 評価軸とは「ビジョン・ビジネスモデル」「戦略」「組織・制度」「デジタル技術」「成果・成果指標」「ガバナンス」の6つである。設問ごとにスコアリングし、平均を算出している。

 選定対象は、東証(一部、二部、ジャスダック、マザーズ)上場会社の約3700社のうち、エントリーした535社。上記の6つの評価軸の他、直近3年間の平均ROE(株主資本利益率)も選定基準に含まれている。

 ここで冒頭の一文を振り返ってほしい。経産省による分析結果だ。鹿島を含めたDX銘柄2020は「業種平均の2倍のスコアを獲得し、DX推進に先進的な企業の集合」と結論づけている。

 逆に言えば、建設業界の平均は鹿島の半分程度ということである。建設業で今回の選定対象になっている会社は、36社ある(企業名を公開している会社のみ。非公開にもできる)。この中には、鹿島と競合する大成建設や大林組、清水建設といった大手ゼネコンも含まれている。

建設業からエントリーしたのは36社(企業名を公開している会社のみ。非公開にもできる)。鹿島以外の大手ゼネコンも名を連ねている(資料:経済産業省)
建設業からエントリーしたのは36社(企業名を公開している会社のみ。非公開にもできる)。鹿島以外の大手ゼネコンも名を連ねている(資料:経済産業省)
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