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職場に必要な明るさと開放感、換気の検証で形を決定

 この形になったのは偶然ではない。吹き抜けや壁の形をパラメーター(変数)として設定し、社員の働きやすさに大きな影響を与える「UDL(ユースフル・デイライト、働くのに有効な太陽光)」と「輝度」、そして空間の「開放感」の組み合わせを最適化した。

吹き抜けや壁の形を変えながら、UDLと輝度対比、開放感の組み合わせを最適化した(資料:竹中工務店)
吹き抜けや壁の形を変えながら、UDLと輝度対比、開放感の組み合わせを最適化した(資料:竹中工務店)
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フロア内のUDLの分布。直射光やUDLを超える場所は階段や打ち合わせスペースにし、UDLに納まるところをデスク環境にしている(資料:竹中工務店)
フロア内のUDLの分布。直射光やUDLを超える場所は階段や打ち合わせスペースにし、UDLに納まるところをデスク環境にしている(資料:竹中工務店)
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 同時に、室内の熱を自然換気で外に逃がすための「開口部の位置」まで考え抜いた結果、導き出したのが現在の形だ。光や風の出入りは、ビルが建つ周辺環境に左右されるので、花岡氏は外部環境を3次元(3D)スキャンした敷地モデルも用意して、オフィス内の明るさや風通し、室温を綿密に計算した。

窓の開口率を変えて、フロア内の室温分布と風通しをシミュレーションしている(資料:竹中工務店)
窓の開口率を変えて、フロア内の室温分布と風通しをシミュレーションしている(資料:竹中工務店)
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 今回の設計プランについて花岡氏から東京本店で事前に説明を受けた後、実際に工事現場を訪れた。

東京本店で花岡氏から吹き抜けや壁などの説明を受ける私(左から2番目)。3Dモデルなので、初めて見た私でも理解しやすかった(資料:竹中工務店)
東京本店で花岡氏から吹き抜けや壁などの説明を受ける私(左から2番目)。3Dモデルなので、初めて見た私でも理解しやすかった(資料:竹中工務店)
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 工事現場で感じた印象は、外から見ているよりも内部は想像以上に明るく、しかも空間が広く感じられるということだった。それは、これだけの事前検証の裏付けがあるからだと、改めて痛感させられた。