全2281文字
PR

 今回のデジタル活用(デジカツ)は、横浜市のみなとみらい21中央地区からお届けする。私が向かった先は、2022年3月にグランドオープンを予定している超高層ビル「横浜ゲートタワー」の建設現場だ。

建設が進む「横浜ゲートタワー」(写真:日経クロステック)
建設が進む「横浜ゲートタワー」(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 横浜ゲートタワーは、JR横浜駅から徒歩10分ほどの場所に立つ。地下1階・地上21階建てで、延べ面積は約8万4000m2。オフィスや店舗などが入居する。21年9月に竣工する計画だ。

 「(仮称)横浜ゲートタワープロジェクト建設工事」の事業者は鹿島、住友生命保険、三井住友海上火災保険。設計者は鹿島、施工者は鹿島・鉄建・小俣建設共同企業体である。

22年3月にグランドオープンを予定している横浜ゲートタワーの完成イメージ。JR横浜駅から直線距離で約330mの場所に位置し、みなとみらい21中央地区の一角を占める。中央下に見える球状の建物は、プラネタリウム施設(資料:鹿島、住友生命保険、三井住友海上火災保険)
22年3月にグランドオープンを予定している横浜ゲートタワーの完成イメージ。JR横浜駅から直線距離で約330mの場所に位置し、みなとみらい21中央地区の一角を占める。中央下に見える球状の建物は、プラネタリウム施設(資料:鹿島、住友生命保険、三井住友海上火災保険)
[画像のクリックで拡大表示]

 鹿島が事業者の1社で、設計・施工にも関わる横浜ゲートタワーの建設現場は、同社が掲げる「鹿島スマート生産」の巨大な実験場でもある。20年11月17日、この建設現場がメディアに公開された。

 私は「待ってました」と言わんばかりに駆け付けた。というのも、ちょうど1年前、私は建設現場のすぐ近くにある工事事務所を訪れ、現場を取り仕切る鹿島の杉本健太郎所長に会っていたからだ。

 そのときは時期尚早で、鹿島スマート生産について詳しく取材することはかなわなかった。ただ、既に現場に設置していたカメラで遠隔管理を始めていたのを目にしていた。

 そして今回ようやく、最新の現場を杉本所長に案内してもらうことができた。

横浜ゲートタワーの建設現場を取り仕切る、鹿島の杉本健太郎所長(右)が現場公開の案内役を務めた。私が杉本所長に会うのは1年ぶりだ(写真:日経クロステック)
横浜ゲートタワーの建設現場を取り仕切る、鹿島の杉本健太郎所長(右)が現場公開の案内役を務めた。私が杉本所長に会うのは1年ぶりだ(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 報道陣が最初に通されたのは「スマート工事事務所」と呼ばれる部屋だ。大きなモニターが7台並び、建設現場の様子を遠隔管理できる。

 杉本所長は普段この部屋を1日に何度も訪れるという。職長などとの打ち合わせや作業報告などは、この部屋で実施しているからだ。

スマート工事事務所での普段の会議風景を紹介する杉本所長(左)(写真:日経クロステック)
スマート工事事務所での普段の会議風景を紹介する杉本所長(左)(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 ここでは建設現場を、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データに基づくデジタルツインで3次元表示し、資機材や現場担当者の位置をリアルタイムで確認できる「3D K-Field」が稼働している。鹿島が独自開発した3D K-Fieldは、鹿島スマート生産を象徴する遠隔管理システムだ。ビーコンなどで資機材や担当者の位置情報を、センサーで機材(主に高所作業車)の稼働情報をそれぞれ取得している。

 杉本所長は3D K-Fieldを見て、機材の稼働状況を確認する。他にも「職長や担当者が現場内を動いた軌跡に注目している。『このエリアには誰も行っていないな』と分かれば、安全管理が行き届いているのかを確認するようにしている」(杉本所長)。

現場にある資機材や担当者の動きを建物のデジタルツイン上に3D表示して管理できるシステム「3D K-Field」の画面をモニターに表示。担当者が手に持っているのがビーコン(写真:日経クロステック)
現場にある資機材や担当者の動きを建物のデジタルツイン上に3D表示して管理できるシステム「3D K-Field」の画面をモニターに表示。担当者が手に持っているのがビーコン(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 スマート工事事務所のモニターには、建設現場のカメラ映像が映っている。報道陣が部屋にいたときも、映像は途切れることなく流れていた。

モニター2台には、現場カメラの映像を流している(写真:日経クロステック)
モニター2台には、現場カメラの映像を流している(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 この日の見どころの説明を受けたら、早速事務所を出て建設現場に向かった。建物は既に見上げる高さまで鉄骨が組み上がり、安全対策として外部養生が施されている。完成すると、地上の高さは約110mになる。