世界最大級のシステム構築プロジェクトだけに、システム開発の実務を取り仕切ったみずほ情報総研(IR)は開発拠点の確保に苦労した。拠点を集約すれば効率は高まるが、オフィスの広さや賃料などがネックになり、複数に分散せざるを得なかった。
新システム「MINORI」の開発拠点は大きく5カ所に分けた。中核拠点がみずほ銀行の中目黒センター(東京・目黒)と、みずほIRの北新宿事業所(東京・新宿)だ。
中目黒センターはもともと、旧富士銀行系のデータセンターだったが、センター集約の流れを受けて、開発拠点に衣替えしていた。みずほIRの中目黒事業所と隣接しており、どちらもMINORIの開発拠点として利用した。
中目黒センターと山手通りを挟んで向かい合うのが、みずほ銀行の中目黒支店だ。ここは2018年6月に始まった口座データの移行で重要な役割を果たした店舗だ。移行は9回に分けたが、旧みずほ銀行(BK)の口座データを初めて移す節目の第3回の対象店舗だったのだ。
みずほIRの向井康真社長はその理由について「中目黒の開発拠点からすぐにフォローできる場所にあったから」と話す。開発拠点の立地が移行スケジュールにも影響を与えていたわけだ。