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 他の大手ゼネコン同様、米シリコンバレーで最新テクノロジーを探索する鹿島。以前から強みを持つシンガポールについても、オープンイノベーション(社外の技術やアイデアを取り入れてイノベーションを生み出す手法)の拠点と位置付けている。インタビュー前編に続き、同社技術研究所の福田孝晴所長に、海外での研究開発について聞いた(インタビューは2019年8月に実施)。

鹿島技術研究所長の福田孝晴常務執行役員(写真:日経アーキテクチュア)
鹿島技術研究所長の福田孝晴常務執行役員(写真:日経アーキテクチュア)
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異業種の企業などとの協業で成果を出すために、取り組んでいることは。

 建設業の生産性向上であれ、スマートビルをつくる技術であれ、センサーを扱っている企業やデータを扱っている企業、 AI(人工知能)を扱っている企業など、これまであまり関わりがなかったところと協業していかなければなりません。そのためには、こちら側にもそうしたテクノロジーを理解できる人材が欠かせません。スタートアップ企業や大学の研究者などとの情報交換を通じて最新の情報を常に社内に取り込み、展開する人材が必要なのです。

 そこで当社は2018年、技術研究所に「AI×ICTラボ」と呼ぶ新しい組織を設けました。AI、機械学習、最新のICT(情報通信技術)に通じた人材を集め、社内外で情報交換をしながら研究を推進しています。今のところ所属しているのは十数人ですが、これからどんどん増やしていきます。

 人材の確保は、業種にかかわらず課題になっていますよね。採用しようとしても、なかなか都合よく欲しい人材が見つかるわけではないし、優秀な人は奪い合いになります。当社は内部で育成を図りつつ、同時に外部の先端的な組織、例えば理化学研究所のようなところに技術研究所の所員を送り込み、コラボレーションを進めながら育てようとしています。

米シリコンバレーにも拠点を設けたそうですね。

 ええ。先端的なテクノロジーを、国内に限らず海外からも、あるいは大企業に限らずベンチャーからもということで、シリコンバレーに拠点を設けました。常駐しているのは2人。まずは土木部門が中心になって、最新技術を探索しています。建築についても出張ベースでちょくちょく現地を訪れています。

 シリコンバレーのコミュニティーに入り込むのはそう簡単でないと聞いていましたので、まずはベンチャーキャピタル(VC)のファンドに投資し、彼らのネットワークを活用しながら現地に根を張っていくことにしました。具体的にはウィル(WiL)というVCのファンドに約27億円(2500万ドル)を投資しています。このほか、米プラグ・アンド・プレイ(Plug and Play、PnP)とも契約しました。

シリコンバレーに進出している大手ゼネコンの動向(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
シリコンバレーに進出している大手ゼネコンの動向(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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