ビジネスでもプライベートでも、数多くのシーンで使われているWindows 10。大変便利な半面、トラブルに見舞われることがある。トラブルの種類や発生頻度は多岐にわたるが、それら全ての対処法を覚えるのは難しい。ここで重要なのは、よくあるトラブルに関する原因と対処法を覚えておくことだ。
本特集ではWindows 10で起こりがちなトラブルの対処法を解説していく。トラブル発生時は様々な症状が起こるので、それを基に「どこに問題があるか」をいかに早く切り分けられるかがポイントとなる。この点も説明するので、Windows 10の動作がおかしいと思ったら参考にしてほしい。なお本記事では、Windows 10 Version 1903(May 2019 Update)で説明を進めていく。
今回はWindows 10の起動と再起動に関するトラブルの対処法を見ていこう。
起動がおかしいときは「高速スタートアップ」をオフに
Windows 10が起動しない場合、その原因は様々である。電源ボタンを押しても画面が点灯さえしなければ故障やバッテリー切れ、電源コードの挿し忘れといったハードウエアの問題を疑うべきだろう。一方でWindowsは起動したが、使えなかったり使えない機能があったりする場合もある。こうしたハードウエア以外が原因とみられる問題の原因を探す際に、意外と見逃しがちなのが「高速スタートアップ」の設定状況だ。
高速スタートアップは、Windows 10の終了時にメモリーやCPUの状態を保持することによってWindows 10の起動を高速化する機能である。大変便利だが、その一方でこの機能には「次回の起動時も、前回終了時と同じ環境でなければいけない」という動作条件がある。
PCのシャットダウン時に、接続していた機器を取り外したり起動前に別の機器を接続したりすると、シャットダウン時と環境が異なってしまう。そのため整合性が取れなくなり、Windows 10が起動しなかったり起動しても機器が認識されなかったりするのだ。Windows Updateが完了しないなど、思いがけないトラブルにつながる場合もある。せっかく高速に起動するように設定しても、それが原因でWindows 10が起動しなければ対応のためにかえって時間がかかるかもしれない。
最近はPCの電源を落とさず、スリープ機能を使うのが当たり前になってきた。この運用方法だと、Windows 10の起動が高速化してもあまり恩恵を受けられない。それならあえて、高速スタートアップをオフにしておいたほうがいいだろう。高速スタートアップの設定は、コントロール パネルの「電源オプション」で変更する。なおコントロール パネルは、タスクバーの「検索ボックス」に「コントロールパネル」と入力すればすぐに開ける。