都市部を中心に、中大規模木造への取り組みが活発化。大きく3つのテーマが見られる。1つが、高層ビルを耐火木造で計画する動き。CSR(企業の社会的責任)の観点から、木造建築を重視する企業が増えていることが追い風だ。2つ目が、CLT(直交集成板)の利用。国がCLTの普及を後押ししており、最近は様々な使い方が出ている。今後、求められるのは、どうすれば補助金なしでCLTの特性を引き出すことができるかだ。もう1つは、地域のシンボルとなる建築に、流通材をいかに用いるか。集成材よりコストを抑えながら、地域の活性化が図れる。それぞれのテーマの代表例を紹介する。

目次
- 隈研吾氏が銀座で耐火木造の12階建て、ペンシルビルに“森”をデザイン(高層化、9月18日公開)
- 内外装に木を多用する9階建て純木造学生寮、地方からの上京者を癒やす(高層化、9月25日公開)
- CLTで折板構造の屋根、梁・桁なしの広々とした空間に/香南市総合子育て支援センター「にこなん」(CLT活用、10月9日公開)
- 耐震壁を鉄骨架構に組み合わせ、耐火建築のプロトタイプに/兵庫県林業会館(CLT活用、10月16日公開)
- 隈研吾氏の真骨頂、鉄骨造の建物本体にヒノキ製材の屋根載せる/日本平夢テラス(流通材活用、10月23日公開)
- 製材つないで70mの大スパン、アーチ端部や斜材は鉄骨に/昭和電工(大分県立)武道スポーツセンター(流通材活用、10月30日公開)
- 木造ビッグバン到来、CLT・流通材・高層化は「適材適所」で攻略(総論、11月6日公開)