全2207文字
2019年の春にオープンした昭和電工(大分県立)武道スポーツセンター。最大約5000人の観客を収容する多目的競技場は、県産のスギ製材中心のトラスを持つ大空間だ。設計期間が短いことから、設計プロポーザルでは鉄骨トラスで耐火建築とする案。発注者の理解を得て木造で実現した(最終ページにフォトフラッシュ)。
大分県が2019年春にオープンした武道スポーツセンターは、多目的競技場と武道場から成る。最大の特徴は、多目的競技場の屋根架構だ。大分県産のスギ製材による約70mスパンのアーチトラスがアリーナを覆う〔写真1〕。
設計者は、2015年の公募型設計プロポーザルで選ばれた石本建築事務所執行役員プリンシパルアーキテクトの能勢修治氏。外観はプロポーザル時と大きく変わっていない。「武道系、なかでも剣道が中心になると捉え、日本刀の緩いカーブを建物の側面に表現した」と能勢氏〔写真2〕。