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 1989年の世界の企業株式時価総額ランキングで、トップ10には日本企業が7社いた。ところが、2018年のランキングに日本企業の名前はない。36位にようやくトヨタが登場し、これが日本企業の最高位だ。

 創業10年以内、評価額10億ドル以上の未上場のテクノロジー企業を「ユニコーン企業」と呼ぶが、これが何社存在するかは国の将来性を測る1つの指標となる。2019年現在、世界に約300社存在するユニコーン企業は、半分が米国、4分の1が中国、残り4分の1がそのほかの国々という状況だが、日本にはわずか1社しかない。将来性の点でも我が国は厳しい状況に置かれていると言わざるを得ない。

レガシーからクラウドへ システム刷新は不可避

 2018年9月に経済産業省が公開した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」は、「2025年の崖」というキーワードを用いて日本企業のITシステムの将来に警鐘を鳴らしている。

 同レポートによれば、来る2025年には稼働開始後21年以上を経過した基幹システムを抱える企業の割合が60%を超え、IT予算に占めるシステム維持管理費の割合も90%を超える。より多くのIT人材が必要になり、人材不足もさらに深刻化する。現在、約17万ともいわれる人材の不足は、2025年には2倍以上の約43万人に膨らむという。

 これらの危機が伝えられる状況にあって企業の取り組みはどうか。大多数の日本企業が、デジタル化の取り組みが「遅れている」と感じているはずだ。2025年の崖の要因でもある「レガシーシステム」が足かせとなり、思うようにデジタルトランスフォーメーション(DX)を進められていないと感じる企業も、恐らく同じくらいの数あるだろう。

 日本企業がふたたび世界での存在感を高めるために必要なのは、一刻も早く、既存のIT環境の見直しと刷新に着手することだ。

あらゆるコンテンツをセキュアなクラウドに集約

 我々はDX実践に向けた第一歩となるのが、企業が保有する多様なコンテンツのデジタル化と集約だと考える。「Box」はその要請に応えるクラウドサービスだ。

 コンセプトは“ファイルを動かさず、情報のみを動かす”。容量無制限のオンライン・ストレージ・サービスで、データを一元管理できる。単なるオンライン・ストレージではなく、多彩な機能とコラボレーションにより、クラウド・コンテンツ・マネジメントと呼ぶ。セキュリティも強固で、開発中の製品や顧客にかかわる機密情報なども不安なく保管することが可能だ。実際、グローバルではこの点が評価され、官公庁と金融業界に最も多くのお客様が存在している。

 組織をまたぐ情報共有を容易にする「プロジェクトワークスペース」も提供しており、委託先企業とのデータ共有なども円滑に行える。これによってセキュリティ上の脅威となり得る「ファイルが添付されたメール」や「USBメモリの利用」などを業務から排除できる。

 Boxに集約したコンテンツは、様々な外部のアプリケーションからAPI経由で利用が可能だ。「IBM Watson」をはじめ、各クラウド基盤サービスが提供するAIの活用もスムーズに行える。

 効果をより具体的にイメージするため、会議の場面を例に挙げて紹介しよう。Boxでは、すべてのファイルを組織の共有資産として保管する。会議資料を作成する際は、誰かが過去に作ったファイルを検索・入手して効率的に作成できる。作ったファイルはカレンダー上にリンクを張って表示できるので、日付から過去の議事録を確認するのも簡単である。

 会議中は、リモートも含め出席者全員で資料にアクセスし、共有イメージを持ちながら共同で編集を行うことが可能だ。作業は履歴が残るため、変更などの経緯を容易に把握できる。間違いなどはその場で修正しながら、会議終了後の即時アクションにつなげることができる。つまり、議事録は会議が終わった瞬間に出来上がっており、回覧をする必要もない。またBoxには「タスク」と呼ばれる機能も実装されており、資料の上長承認が必要な場合などに対応している。承認処理が滞っていれば、Boxが催促する。

 Boxの利用で、企業はDXの基礎、基盤であるどこからでも正確な情報へアクセスできるコンテンツの一元化へ踏み出せるようになる。

多彩なパートナーのサービスと連携 より高度な付加価値を提供する

 Boxは、「BoB(Best of Breed)パートナー」と呼ぶ広範な企業との協業も推進している。各領域の製品・サービスを提供する最も優れたパートナーと組むことで、お客様により多くの価値を提供する狙いだ。

 2019年5月には、「Box Platform」というカスタムアプリ開発を大幅に簡素化できるクラウドサービスも発表した。コンテンツ管理部分の汎用的な機能やリソースをBoxが提供することで、すべてをスクラッチ開発することに比べて開発期間を大幅に短縮できる。属性情報の表示、版管理といったBoxのコンテンツ管理機能も駆使しながら、BoBパートナーのサービスとの組み合わせによる新規サービスを簡単に生み出せるようにしている。

 今からの時代に必要な視点の1つが「リアルとデジタルの融合」だと考えている。これはデジタル技術とハードウエア製品の融合にほかならず、ものづくりに強みを持つ日本企業が優位性を発揮できる領域といえるだろう。さらに2020年をめどに、次世代通信「5G」も商用化が予定されている。日本企業が挽回するチャンスは確実に存在する。Boxはこれに向けた企業の取り組みを全面的に支援していく。

本記事は2019年7月10日~12日に開催された「IT Japan 2019」のリポートです。