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 米マイクロソフト(Microsoft)は2020年1月14日にWindows 7のサポートを終了した。今後はセキュリティーの脆弱性やその他の不具合を修正する更新プログラム(パッチ)が提供されなくなる。無防備なパソコンが多数残った現状のままでは、かつて企業に大きな被害をもたらしたマルウエア「WannaCry(ワナクライ)」の再来といった深刻な事態を招く恐れがある。

 Windows 7は2009年10月の発売から既に10年以上が経過した。2015年7月にWindows 10が発売されてから徐々に置き換えが進んだ。

 それでも、日本マイクロソフトの推計によれば、2020年1月時点で日本国内に法人で753万台、個人で638万台のWindows 7搭載パソコンがいまだに残っている。法人市場においては2極化の傾向がみられ、「大企業では2018年9月時点で95%がWindows 10への移行に着手しており、置き換えがかなり進んだ。一方、中小企業では移行に遅れが出ている」(日本マイクロソフト広報)。

国内におけるWindows 7搭載パソコンの推計稼働台数
国内におけるWindows 7搭載パソコンの推計稼働台数
(出所:日本マイクロソフト)
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 Windows 7搭載パソコンがこのまま残り続けると、どのような影響が出るのか。「利用者がサポート終了後もWindows 7搭載パソコンを使い続けること自体は可能である。だが、マルウエアへの感染などセキュリティーリスクの影響を受けやすくなる」というのが、日本マイクロソフトの公式見解だ。

半年で158件の脆弱性

 情報処理推進機構(IPA)はさらに具体的な数値を挙げて注意を喚起している。IPAのデータベースには2019年1~6月にWindows 7の脆弱性が158件登録された。このうち全体の55%に当たる87件が3段階で最も深刻な「レベル3」の脆弱性だった。

 仮にWindows 7のサポート終了後に同様のペースで新たな脆弱性が発見されたとしても、セキュリティーリスクを解消できない。パッチが提供されないからだ。「結果として、脆弱性を悪用した攻撃による情報漏えいや意図しないサービス停止などの被害が生じる可能性が高くなる」とIPAは警告する。

 日本は2020年夏に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控える。国際的なイベントの前後は開催国の企業・組織へのサイバー攻撃が増えることが多い。法人だけで700万台以上残るWindows 7搭載パソコンがサイバー攻撃の格好の標的となる懸念がある。