「この価格では受け入れようがない」。あるFinTech関係者は、銀行API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を利用する際の料金水準にため息を漏らす。銀行に対してオープンAPI導入の努力義務を課した改正銀行法の施行から1年あまり。両者の契約交渉を巡り、API利用料がネックになるケースが出ている。もし銀行APIの高額課金が広がると、国を挙げて進めてきた日本のオープンバンキングが危機にさらされる。
多くの銀行が追随する可能性も
銀行APIの推進は、銀行とFinTech企業が相互に知恵を絞って取り組んできた施策だ。
全国銀行協会が事務局を務める「オープンAPIのあり方に関する検討会」には、銀行関係者とFinTech関係者が名を連ねる。同検討会は2018年12月、銀行と電子決済等代行業者の間で締結するAPI利用契約のひな型に当たる条文例(初版)と、振込APIの標準仕様を追記したオープンAPIの電文仕様標準(第2版)を策定。API連携を支援してきた。