
2019年10月1日、いよいよ消費税が8%から10%に上がった。これに伴い、同日から食品などの消費税を8%に据え置く軽減税率や購入額の5%や2%を政府が還元するキャッシュレス・ポイント還元の制度もスタートした。いずれもシステム対応が欠かせないが、政府の出遅れもあり企業の対応は十分とは言えない状況だ。国民全体を巻き込む奔流を追った。
2019年10月1日、いよいよ消費税が8%から10%に上がった。これに伴い、同日から食品などの消費税を8%に据え置く軽減税率や購入額の5%や2%を政府が還元するキャッシュレス・ポイント還元の制度もスタートした。いずれもシステム対応が欠かせないが、政府の出遅れもあり企業の対応は十分とは言えない状況だ。国民全体を巻き込む奔流を追った。
経済産業省は2019年10月11日、「キャッシュレス・ポイント還元事業」を巡る混乱について、是正策の進捗状況を公表した。同事業は消費増税による景気冷え込みを緩和するなどの目的で、中小店舗でキャッシュレス決済で買い物すると得られるポイント還元を国が支援する事業である。
2019年10月1日に消費増税と同時に始まった「キャッシュレス・ポイント還元事業(正式名称はキャッシュレス・消費者還元事業)」を巡って混乱が生じている。同事業の対象店(加盟店)への登録申請は続いており、混乱は長引きそうだ。
消費増税がスタートした2019年10月1日、ある飲食店で消費税率を「18%」で計算し、過大徴収していたトラブルが生じた。実際に一部の客が過剰に支払った。直接的な原因は店員のPOSレジの操作ミスだった。
消費増税が始まった2019年10月1日午前0時すぎから、北海道を地盤とするコンビニチェーンのセイコーマートで、電子マネーで商品代金を支払うと必ず「1円」残高不足になる不具合が発生していたことが日経 xTECHの取材で分かった。
回転すしチェーン「スシロー」で2019年10月1日に消費税が課税できず「免税」状態だったシステム障害が、10月2日午前11時の開店時点で復旧する見込みとなった。1日からレジのプログラム更新に取り組んだという。運営元のスシローグローバルホールディングスが明らかにした。
2019年10月1日、3度目となる消費増税が実施された。同時に消費の冷え込みを防ぐ目的などで、「軽減税率制度」と「キャッシュレス・ポイント還元事業(正式名称はキャッシュレス・消費者還元事業)」も同時にスタートした。
ミニストップは2019年10月1日、日経 xTECHが報じたように、消費増税に伴うシステム障害が発生したと発表した。POS(販売時点管理)レジのシステムが正常に切り替わらず、増税後にもかかわらず一律に税率8%の内税(税込み価格)のまま支払額を計算した。
路線バス大手の神奈川中央交通(神奈中)は2019年10月1日、消費増税に対応するためのシステム改修の過程で不具合があり、運賃を過収受していたと発表した。
スーパーマーケット「ヤオヒコ」を展開する八百彦商店は2019年10月1日、軽減税率の対応で不具合が生じ、一時的にヤオヒコ全店の開店を見合わせたと発表した。
回転ずしチェーン「スシロー」の一部店舗で2019年10月1日、消費税が「0%」になるシステムトラブルが発生している。トラブルが生じている店舗ではそのまま消費税を取らずに会計し、増税どころか減税を通り越して「免税」となってしまった。
2019年10月1日の消費増税に伴い、鉄道会社でシステムトラブルが相次いでいる。国土交通省の鉄道事業課旅客輸送業務監理室が同日正午ごろまでにトラブルとして報告を受けたのは、JR東日本、大阪メトロ、名古屋鉄道、京成電鉄の4社。
ドトールコーヒーの一部店舗のPOS(販売時点情報管理)レジで2019年10月1日午前からシステムトラブルが発生している。同社広報によれば数店舗において何らかの理由でシステムエラーになる現象が起こり、レジを停止している。
ミニストップは2019年10月1日、一部店舗でシステム移行後の午前0時過ぎにシステム障害が発生した。持ち帰りの食品は軽減税率により「税率8%」にもかかわらず、レシートに「税率10%」と誤記されるトラブルが生じた。支払金額は税率8%だったが印字が誤った。同店で確認すると午前9時には復旧していた。
明日2019年10月1日からいよいよ消費増税がスタートする。この対応に向け、税額計算や価格表示、それらを支えるPOSシステムを見直す企業が相次いでいる。見直しの拍車をかけたのが軽減税率制度への対応だ。
「正直言ってあきれている。いくら何でもこの時期はないだろう」。コープさっぽろの米内徹常務理事管理本部長は、感情を押し殺しながらこう話す。経済産業省が2019年10月1日の消費増税に伴って同時に始める「キャッシュレス・ポイント還元事業」。コープさっぽろは9月9日に拒否通告された。
いよいよ2019年10月1日に消費税が増税される。消費者に直面する流通・サービス業に携わる人を含む全てのシステム関係者は、今回の消費増税は、2014年4月1日に消費税率が5%から8%に一律で上がった前回の増税とは様相が異なることを頭に入れておく必要がある。