大事な物にタグを付けておけば落としたり置き忘れたりしても持ち主の手元に届けてくれる。こんな便利なIoT(インターネット・オブ・シングズ)サービスが2020年にも登場しそうだ。
ドラえもんのひみつ道具なら「落としものカムバックスプレー」である。対象物にスプレーを噴きかけると落としたときに空を飛んで戻ってくる道具だ。持ち主にとってはもちろん、遺失物の管理や処分に頭を悩ます事業者にも大きなメリットをもたらす。
実用のキーとなる技術が「スマートタグ」だ。近距離無線通信技術「Bluetooth Low Energy(BLE)」とバッテリーを備えたタグである。財布や鍵など紛失すると困る物に取り付けておけば、スマホアプリで落とし物の所在地を確認できる。
スマートタグは2012年ころに登場した。当初はBLEを使って一定間隔で固有のIDを発信し続け、スマホから離れるとスマホアプリに通知メッセージを表示するものだった。
2014年ころになると落とし物の所在地を特定する技術が登場した。スマホのGPS(全地球測位システム)機能と連動させた方法だ。例えばITベンチャーのMAMORIOは「クラウドトラッキング」と呼ぶ技術を開発した。タグのIDを受信したスマホがGPSを使って現在位置を確認し、その情報をサーバーに送信する。蓄積した情報はスマホアプリ上で確認できる。