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子供のころに誰もが憧れたドラえもんの「ひみつ道具」は、いつの日に、どんな形で現実になるのか。日経コンピュータの創刊1000号を記念し、大胆予測した。画像認識やロボティクス、VRなどの技術進化によって、10年後つまり2029年には実用化しそうな8つの道具を示そう。今回は「エアコンスーツ」について取り上げる。

 ドラえもんのひみつ道具「エアコンスーツ」は着ると体の周りの温度をエアコンのように調節してくれる衣服だ。作中では「原始生活セット」に含まれており、原始人が着る毛皮のような形をしている。厳しい暑さや寒さの環境で活躍する道具だが、氷河期の極寒の環境では効果がなかった。

©藤子プロ・小学館
©藤子プロ・小学館
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 エアコンスーツを具現化した製品として近ごろ注目を集めるのが、ファン付き作業服の「空調服」だ。ベンチャーの空調服が15年ほど前に開発した。空調服は体を「涼しくする」ことに特化した作業服。着用すると外気を衣服内に取り込み、炎天下でも快適に作業できる。

 仕組みはこうだ。腰付近に取り付けた直径約10センチメートルのファン2基が高速回転し、服の中に毎秒最大30リットル分の外気を取り込む。取り込んだ空気によって服を膨らませ、服と体の間に空間を作り、風が体を沿うように流れて汗を気化させる。

バッテリーが進化、8時間動作

 作業服の腰の周りはぴたっと締められており、暖かく湿った空気は襟元と袖口から排出する。ファンの風量は4段階で調整できる。モバイルバッテリーを搭載し、最大風量でも約8時間の動作が可能という。バッテリーが進化し、小型・軽量になったことで実現できた。

 「人は体温が上昇すると汗を出して体温を下げようとする。空調服はこの人間のメカニズムに着目し、その機能を支援することで快適な体感温度を実現している」。空調服の市ヶ谷弘司会長はこう話す。

 空調服は夏場の熱中症対策として注目され、屋外で作業する人の安全確保のために使われている。すでに大手ゼネコンを含む建設業で導入が進んでいるほか、製造業や農業の現場などでも利用が広がっている。2019年は前年比2倍超となる130万着の出荷を見込んでおり、ここ最近のヒット商品と言っていい。

 現在は作業服という位置づけだが、今後はデザインの幅を広げ普段着としても売り込んでいく考えだ。「若い世代を中心に、2~3年後にはファン付き作業服の機能が受け入れられるとみている。幅広い顧客層に空調服を広めたい」と市ヶ谷会長は力を込める。

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