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子供のころに誰もが憧れたドラえもんの「ひみつ道具」は、いつの日に、どんな形で現実になるのか。日経コンピュータの創刊1000号を記念し、大胆予測した。画像認識やロボティクス、VRなどの技術進化によって、10年後つまり2029年には実用化しそうな8つの道具を示そう。今回は「自動買いとり機」について取り上げる。

 不用品を機械が査定し、その場で買い取ってもらえ、すぐにお金を受け取れる―― 。そんなサービスが5年後には実用化しそうだ。ドラえもんのひみつ道具で言えば「自動買いとり機」に近い。不用品の処分と換金を同時に実現する、一石二鳥のサービスだ。

 ドラえもんに登場する自動買いとり機は、読み終えた単行本などを入れるとそれを機械が査定し代金が出てくる道具だ。特徴は適正価格で買い取ってくれるところにある。新品に近い商品を入れれば買い取り金額は高くなるが、古くて状態が悪ければ安くなる。

©藤子プロ・小学館
©藤子プロ・小学館
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 実現の鍵を握る技術がAI(人工知能)だ。フリーマーケットアプリのメルカリ、中古ブランド品流通のコメ兵などがAIを使った査定技術の開発に取り組んでいる。

 例えばメルカリは2017年からAIによる査定機能を各サービスに順次取り込んできた。画像認識技術を使って、出品された写真からその商品が何かを自動で判定。過去の取引履歴データと照合して適正価格を提示する。最終的な販売価格は出品者が決めるものの、最初の値付けで迷わなくて済む。