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子供のころに誰もが憧れたドラえもんの「ひみつ道具」は、いつの日に、どんな形で現実になるのか。日経コンピュータの創刊1000号を記念し、大胆予測した。画像認識やロボティクス、VRなどの技術進化によって、10年後つまり2029年には実用化しそうな8つの道具を示そう。今回は「感覚モニター」について取り上げる。

 触り心地や香りなど、人の五感を機械で再現する。そんな技術があと5~10年で実現しそうだ。「五感の幽体離脱」とも言える技術である。

 ドラえもんのひみつ道具なら「感覚モニター」だ。この感覚モニターは頭に載せる受信機で、数ミリほどのアンテナ(感覚送信アンテナ)と同時に使う。アンテナを別の人に取り付けると、アンテナから送られた五感の情報を受信し、アンテナを付けた人の体験を再現できる。

©藤子プロ・小学館
©藤子プロ・小学館
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 この技術を実用化できれば、ベテラン社員の接客術を体感したり、ロボットにアンテナを付けて動かし、火事の際の避難訓練をリアルに体験したりすることが可能になる。

 五感は視覚と聴覚、触覚、嗅覚、味覚で構成される。このうち視覚は遠隔地のカメラで撮影した映像を受信してHMD(ヘッドマウントディスプレー)と呼ぶゴーグルでモニタリングすれば再現できる。聴覚にあたる音声もマイクとスピーカー、HMDで再現できる。